2018,05,21, Monday
週刊住宅タイムズの5月7日号の8面を見ると、ベンツなどの高級車両がずらりと並んでいる写真が目をひく。カーシェア情報比較サイト「カーシェアリング比較360°(度)」を運営する「ジェイティップス」が、主要5社①タイムズカープラス②オリックスカーシェア③カレコ・カーシェアリングクラブ④カリテコ⑤アースカーのシェアリング状況を集計した記事が掲載されている。
株式会社週間住宅タイムズ(東京・神田三崎町)は、昭和35年に創刊した「週刊住宅」からの伝統を受け継ぎ発行されている、住宅・不動産関連業界の専門紙の一つです。専門紙ながらの記事が多く掲載されていて、たいへん参考になるのです。そこに、「不動産仲介大手が(カーシェアリング)業界勢力図塗り替え目前」の記事がありました。 東京では、タイムズカープラスの時間貸し駐車場に「わナンバー」の車両が数台置かれていると聞いています。要するに、レンタカーです。これが東京で普及し、保有コストが高い首都圏で、15分206円~という格安料金で、もちろん24時間365日利用が出来ます。PC・携帯・スマホから予約が出来て、予約1分前まで無料キャンセルOKとなっています。 同記事によると、先の5社合計で2017年12月時点のステーション数は、1年前の同じ時期と比較して16.8%、車両台数では同21.8%と増加している。5社のステーション数は、全国で16年末から2000箇所程度増えて1万3000箇所を突破し、車両台数が同4000台以上増えて2万5000台を超えた。 この市場拡大に、不動産業界も注目する。これまで土地活用の王道の一つとして時間貸し駐車場の運営が一般的だった中で、単なる駐車場経営にとどまらず、カーシェアリングへの参入を本格化している。不動産業界で見ると、主要5社の一角を占めるカレコ・カーシェアリングクラブを運営する不動産大手の三井不動産リアルティが、先駆者的役割を果たしている。 カレコ・カーシェアリングクラブは、現在業界3位ながら2位のオリックスカーシェアに迫り、トップのタイムズカープラスの猛追体制に入った。土地情報を持つ不動産業界だけに、首都圏から全国へ波及しそうだ。カレコ・カーシェアリングクラブは、レンタカー車両に、自動ブレーキ機能、バックモニター、ドライブレコードを付けるという。 さらにメルセデスベンツのラインアップにCクラスを含む6車種を導入。記事写真のような、高級車が並ぶわけだ。また高松にあっても、先日TimesCarのステッカー付きの「わ」ナンバーを見ました。急速に普及すると、コスト高の大都市を中心に、所有から使用へと形態が変わる可能性もある。トヨタは販社の統一を、もう既にはじめるようだ。 カーシェアリング比較360° |
2018,05,19, Saturday
PHPから、標題の本が出ています。「心のあり方」「考え方」次第で、人生や仕事の結果を大きく変えられるという。これからの日本経済をリードする若い人へ、稲盛和夫塾長が贈る成功の哲学です。主な内容は、人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力/前向きで明るい考え方が人生を好転させる/災難をも感謝の念で受け止める。
善行、利他行が運命を好転させる/6つの精進で素晴らしい人生を/人生の目的は心を高めること/周囲の事象はすべてわが心の反映である/人はみな、利他の心を持っている/利己を抑えれば、利他の心が現れる/正しい判断を行うには勇気が必要/どうしてもこうありたいと強烈に願う/地味な努力を一歩一歩堅実に 前書きに戦後、日本経済は成長を続け、私たちは豊かな生活を享受できるようになりました。しかし、1990年代初めバブル経済が崩壊して以来、30年近く日本経済は低迷を続け、回復の兆しはまだ見いだせていません。その間、社会に出た若い方々は、日本経済がもう成長することはないとあきらめ、現状に満足してしまい、新たなことに挑戦することも少なくなっているように感じています。 私は稲盛和夫塾長信者の一人で、塾長の言うことは何でも素直に受け入れるのですが、そうでない人も当然います。それも考え方ですから、色々あっていいと思います。しかし明るく前向きな考え方が、すべてを解決するという現実も知ってもらいたい。この本では特に、西郷隆盛遺訓集の読みと解説があったので、ここに紹介しておきます。 西郷南洲遺訓集24番 道(みち)は天地自然の物にして、人は之(これ)を行うものなれば、天を敬(けい)するを目的とす。天は人も我も、同一に愛し給(たま)ふゆえ、我を愛する心を以て(もって)人を愛する也(なり)。 西郷南洲遺訓集25番 人を相手にせず天を相手にせよ。天を相手にして己を尽くし、人を咎め(とがめ)ず、我が誠(まこと)の足らざるを尋(たず)ぬべし。 西郷南洲遺訓集1番 廟堂(びょうどう)に立ちて、大政(たいせい)を為すは、天道を行うものなれば、些(ち)とも私(し)を挟(はさ)みては済(す)まぬもの也(なり)。いかにも心を公平に操(と)り、正道を踏み、広く賢人を選挙し、能(よ)く其(その)職(しょく)に任(た)ふる人を挙(あ)げて、政柄(せいへい)を執(と)らしむるは、即(すなわ)ち天意(てんい)也。夫(そ)れ故(ゆえ)真に賢人と認める以上は、直ちに我が職を、譲る程ならでは叶はぬものぞ。故(ゆえ)に何程国家に勲労(くんろう)有るとも、其の職に任(た)へぬ人を、官職を以て賞するは、善からぬことの第一也。官は其の人を選びて之を授け、功有る者には俸禄(ほうろく)を以て賞し、之を愛し置くものぞと申さるるに付き、然(しか)らば尚書(しょうしょ)仲虺之誥(ちゅうきのこう)に、「徳(とく)懋(さか)んなる官を懋(さか)んにし、功(こう)懋(さか)んなるは賞を懋(さか)んにす」と之れ有り、徳と官と相配し、功と賞と相対するは、此の義にて候(そうら)ひしやと請(せい)問(もん)せしに、翁(おう)、欣然(きんぜん)として、其(その)通(と)おりぞと申されき。 仮名をふっていてもなかなか読みづらい文章ですが、最初の遺訓から「敬天愛人」が出ていて、京セラ本社にもこれが掲げられている。天を敬い、人を愛す。この裏側には、決して自分を愛し(大切に思うこと)てはならないという警鐘があります。第二電電を作るときに稲盛和夫塾長は6ヶ月にわたり、「動機善やりや、私心なかりしか」と己に問い続けたと聞いています。 |
2018,05,18, Friday
アニメ作品を見る機会の少ない私ですが、スタジオジブリを宮崎駿監督と50数年前から構想したという高畑勳監督の原案・脚本・監督作品が独占放送されるというので、構えて観ていました。スタジオジブリ作品ですから、さすがに宮崎駿監督作品とよく似たところがあります。それでいてどこか稚拙というか、荒々しいコンテをそこに観ました。
そうかこの荒々しい稚拙さが、高畑勳監督のタッチの一つかと気づきました。私の意見が違っているかも知れませんが、芸術センスがない私としては、似ていながらも確かに宮崎駿監督と高畑勳監督の作品は、違うなと感じて、それでいてわくわくしながら最後まで観ました。かぐや姫は最終的には、養父母の元を離れて月へ帰ってしまう民話です。 『かぐや姫の物語』は、『竹取物語』を原作としたスタジオジブリ制作の日本のアニメーション映画。監督は高畑勲が務めた。2013年11月23日に公開された。キャッチコピーは「姫の犯した罪と罰」。高畑による監督作品は1999年の『ホーホケキョ となりの山田くん』以来、14年ぶりとなる。高畑は本作公開から4年半後の2018年4月5日に死去し、本作が最後の監督作品となった。 少しは前の報道で、あの宮崎駿監督が高畑勳監督への弔辞を読んでいました。50年来付き合いで、ともに20代の若さ、相通じるものがあったのでしょうね。かつて高畑勲が入社した直後(1959年)の東映動画(現・東映アニメーション)において、内田吐夢監督による『竹取物語』のアニメーション映画の企画が持ち上がった。 この企画は様々な事情により実現しなかったが、この際、高畑が創案したものの没となったプロットが、本作の大元になっているようにウィキペディアに書かれている。アニメの世界でも、長い間の制作期間と、途方もない人海戦術で、数多くの下絵が求められる世界。映画も当たれば大きいが、必ず興行的に成功するとは言いがたい。 確かに今年に入ってからも、大物著名人が逝去されている。歌手の西城秀樹さん、俳優の星由里子さんと。両者ともにまだまだ早かった鬼籍入りだが、それでも彼らは生きた証を作品として残し、ファンの記憶の中に生きる。われわれ凡人は、果たして何かを残せるのだろうか。今から心して対処してゆかねば、時間もそう多くは残っていない。 |
2018,05,17, Thursday
香川県特有の住宅を、建設・金融・不動産等の多面的分野から「創造」する同協議会と、「鑑定金融小委員会」が栗林町のルポール讃岐で開催されました。一昨年から、予算的には単年度事業ではありますが、継続事業として進んでいます。基本的には、「香川県産オリジナル住宅」ですから新築住宅ですが、中古住宅も視野に置いています。
県産材などを使い、オリジナル住宅を企画建築して、住宅ローンも地元金融機関にオリジナル商品の提供を依頼しています。そのために、不動産鑑定技法も導入し、われわれ仲介業者の意見も取り入れて、大勢で「香川県産」を作ろうとしています。国土交通省も、中古住宅には今年4月から「建物目視検査(インスペクション)」の導入など、空き家を作らない施策に腐心しています。 新築物件にあっても、ハウスメーカーだけの寡占でなく、地元の中小建設会社の生きる道を模索しています。「香川県産」の住宅は、県産檜材を使うなど、色々検討はされていますがコスト面では補助金をもらいながらも、割高感は否めません。四国内の杉とかも含めるように、「建設小委員会」で模索されています。 それ以上に難しいのは、金融面だと思います。中古住宅にあっては、インスペクションと呼ばれる「建物目視検査」をして、不具合部分がなかったら「瑕疵担保保険」に入れます。この段階で、住宅履歴をデーターベースに残し、将来的には第三者へ公開し、次の流通(売買)に備えます。この際の金融機関からの「特別手当(融資条件)」をどうするか、高松信用金庫を中心に、百十四銀行も今年から参入して検討が続いています。 特別な商品開発は難しいとしても、既存の住宅ローンに「香川県産」の特別枠を設けるようです。金融庁も、最近は行政指導が緩やかになりつつあります。やり過ぎた「スルガ銀行」などは例外として、独自性の創造には一定の理解を示すように変化してきています。背景には、金融業界の「護送船団方式」が成立しない、つまり金融機関が儲からない構造が出来てしまっています。追随ばかりでは、生き残れない。 金融機関としては、「独自色」が出せる商品開発が出来れば、それは利益に繋がるかも知れません。融資が「住宅」ですから、融資額は小さいのですが、数が集まります。インスペクションと呼ばれる「建物目視検査」も、国土交通省が平成24年から全国へ呼びかけて、コツコツの努力でシステムを構築しました。それが平成30年4月から制度化になりました。案外早く、「成果」が世に広がっています。 |