2018,05,18, Friday
アニメ作品を見る機会の少ない私ですが、スタジオジブリを宮崎駿監督と50数年前から構想したという高畑勳監督の原案・脚本・監督作品が独占放送されるというので、構えて観ていました。スタジオジブリ作品ですから、さすがに宮崎駿監督作品とよく似たところがあります。それでいてどこか稚拙というか、荒々しいコンテをそこに観ました。
そうかこの荒々しい稚拙さが、高畑勳監督のタッチの一つかと気づきました。私の意見が違っているかも知れませんが、芸術センスがない私としては、似ていながらも確かに宮崎駿監督と高畑勳監督の作品は、違うなと感じて、それでいてわくわくしながら最後まで観ました。かぐや姫は最終的には、養父母の元を離れて月へ帰ってしまう民話です。 『かぐや姫の物語』は、『竹取物語』を原作としたスタジオジブリ制作の日本のアニメーション映画。監督は高畑勲が務めた。2013年11月23日に公開された。キャッチコピーは「姫の犯した罪と罰」。高畑による監督作品は1999年の『ホーホケキョ となりの山田くん』以来、14年ぶりとなる。高畑は本作公開から4年半後の2018年4月5日に死去し、本作が最後の監督作品となった。 少しは前の報道で、あの宮崎駿監督が高畑勳監督への弔辞を読んでいました。50年来付き合いで、ともに20代の若さ、相通じるものがあったのでしょうね。かつて高畑勲が入社した直後(1959年)の東映動画(現・東映アニメーション)において、内田吐夢監督による『竹取物語』のアニメーション映画の企画が持ち上がった。 この企画は様々な事情により実現しなかったが、この際、高畑が創案したものの没となったプロットが、本作の大元になっているようにウィキペディアに書かれている。アニメの世界でも、長い間の制作期間と、途方もない人海戦術で、数多くの下絵が求められる世界。映画も当たれば大きいが、必ず興行的に成功するとは言いがたい。 確かに今年に入ってからも、大物著名人が逝去されている。歌手の西城秀樹さん、俳優の星由里子さんと。両者ともにまだまだ早かった鬼籍入りだが、それでも彼らは生きた証を作品として残し、ファンの記憶の中に生きる。われわれ凡人は、果たして何かを残せるのだろうか。今から心して対処してゆかねば、時間もそう多くは残っていない。 |