2022,01,15, Saturday
Zホールディングス(ZHD・川辺健太郎社長)傘下のヤフーは12日、全ての社員が国内のどこでも自由に居住出来る、新たな働き方を4月から導入すると発表した。在宅勤務の定着を踏まえて居住地の条件を緩和し、飛行機や高速バスでの出社を認めるという。現在は午前11時までに、所属先のオフィスに出社出来る範囲に住むことを求めている。
ヤフーは今でも、契約や嘱託を含む全社員8,000人のうち約9割が在宅勤務しているそうだ。社内アンケートで在宅勤務が業務に与える影響を聞いたところ、「なかった」と「向上した」とする回答が合わせて9割に達したという。「通勤時間の削減で自己研鑽時間が増えた」との声もあったため、居住地条件を変える方針を決めたという。 ヤフーは働き方の刷新で「居住地に左右されない優秀な人材の採用や、多様な価値観にあわせて働き方を選択出来るダイバーシティ(人材の多様性)をさらに推進する」という。同社は、「前例や正解がないニューノーマルの時代における新しい働き方を開拓する意思を示す」としている。ヤフーだから出来ることだと思うが、この一歩は、コロナ後の働き方の最新鋭な例の一つになるだろう。 過日早稲田大学の先生が来社されて、周辺の土地の購入希望を入れて、慌てて高松空港へ向かった。東京羽田空港行きの飛行機に搭乗するためと聞いた。この先生も、今後は高松に居住し東京へ週一で通うという。ヤフーが口火を切ることで、賛同する企業が出てくるとは思う。しかしそのスタイルが定着するかとなれば、話しはそう簡単ではない。逆に言えば、定着はなくてバラバラが面白いのかもしれない。 また製造業では、工場内での作業は当然で、ここへ集まらない勤務スタイルはあり得ない。それでも機械化が進み、直接製造に関わらない例えば研究開発部門などは、在宅勤務も製造業でも見られるようになるだろう。ましてや今言われているIT(情報技術)やIoTに関する部門は、地方に住んで介護や看護をしながら、また自然や農業に身を委ね、本来の仕事に短期集中で取り組むこともあるだろう。 そうなるとまず、住宅問題の解消につながる。億ションなど気の遠くなるような住宅取得費(マンション購入費)が要らなくなる。首都直下型地震からの回避も、今よりは出来るだろう。高層ビルは見た目には格好いいが、災害発生時にはこんなお荷物は邪魔になるだけだ。首都圏に住まいする人の2割が地方へ移住すれば、互いに隙間が出来て、少なくても今よりゆとりのある生活が営める。 世界的にも有名な首都圏の朝夕の通勤ラッシュも、2割削減が出来れば、通勤しやすくなるのではないか。あの混雑の中を定年後も続けろというのは、首都圏在住の同級生が定年前に退職し、その後通勤したがらないことでもその苛酷度が分かろうというものだ。その点でも田舎在住は、人とのつながりもあって面白い。煩わしいと考えている人は、現金だけを持って歩いてみることをお薦めする。 私の知り合いでも、高松に在住し、月曜か火曜日に飛行機で上京し、週末に帰ってくる人がいた。もう10年も前のことだ。こんな自由人は、高松ではごく稀だが、今からやろうとしているスタイルは、この人がもう随分前にやっていたことと同じだ。こんな自由人が、多くなると考えれば理解出来ないことではない。田舎は隣近所との付き合いが煩わしいという人もいるが、偉そうなことを言っても人は独りでは決して快適な生活は出来ない。 田舎暮らしでの住まいには、住宅のほか、面前の農地や畑も魅力的に映るらしい。しかし現状では、農家住宅の取得は誰でも出来るが、庭先の田畑は、非農家住民のモノにはならない。そこに農地法が介在し、非農家住人は原則田畑を購入することが出来ない。農地法の趣旨から、同法は農地を守るためのモノであり、農家以外が農地を取得することが出来ない。農地をそのままにして、荒らされては困るというのが農地法の考え方だ。 しかしこの難題も、徐々には解放に向かっている。限定承認のようなことが出来はじめている。行政も新型コロナウィルス禍だけでなく、こんなところでも現場第一主義で対応願いたい。われわれも空き家・空き地問題解決のために、移住のススメをしているが、『仕事がない』ことが一番のネックになっている。勤務先がフレキシブル(柔軟)な対応をすれば、生活が大きく変わろうというモノだ。 |
2022,01,14, Friday
ビーズソファ『Yogibo(ヨギボー)』を輸入販売する『ウェブシャーク(大阪市)』は、米国のヨギボー本社を買収したと発表している。買収額は、正式発表はないが、100億円とも言われている。日本では、店舗の内装や独自企画の商品などが好評で販売が伸びている。年末には私も、近くに販売店がないモノで、通販サイトで購入した。この顛末については後日報告するとして、経済ネタが社会面でも取り上げられるほど、ヨギボー旋風が吹き荒れている。
米国ニューハンブシャー州に本社を置くヨギボーを、日本の『ウェブシャーク(大阪市)』が2021年12月末に買収した。わずか1カ月前のことだが、話題は沸騰している。同社は09年に設立で、座る人の体形や姿勢に合わせてフィットするビーズソファを製造・販売している。21年末時点で、米国や日本、韓国など8つの国・地域で事業を展開している。売上高は、非公表となっていて、こちらもミステリアスだ。 『ウェブシャーク(大阪市)』は14年に、ヨギボーの日本の総販売代里店になった。色とりどりの商品をバランスよく並べる店舗の内装や、米国より2万円高い5万円程度の独自商品の企画などを進めた。世界約130の販売店の7割近くが、日本にある。『ウェブシャーク(大阪市)』の売上高はほぼ全てをヨギボーの輸入販売事業が占め、21年7月期は前の期比77%増の168億円、純利益は3.2倍の30億円だった。 市井で今一番の、売れ筋商品の一つと言って良いだろう。『ウェブシャーク(大阪市)』は米国本社の買収を機に、『ヨギボー』への社名変更を検討しているらしい。何とも不思議な商品であり、これまであまりなかった話でもある。この先何年かは順調な販売が続くと思うが、これが完全に定着するかどうは、飽き性の日本人、何とも申し上げられない。 確かに靴を脱いで生活する日本の家庭には、ぴったりの商品だと言えそうだ。私も経験したのだが、包み込まれる感覚は、エイも言われぬ居心地だった。テレビを観ながら、思わずウトウトし、癒やされる時間を経験しました。先に書いたように、このあたりの下りは後日報告出来たら行います。その昔の『フラフープ』、『だっこちゃん人形』の再来か。それとも、一家に必ず一つあるビーズソファになるか。この話題は続く。 |
2022,01,13, Thursday
毎日面白いネタを下さる、千葉市在住で高松商先輩の吉田勝昭さん。余りにも熱心な執筆に参ったと脱帽しきりですが、その中でも私が勝手に「これ頂戴」とおねだりをして、小欄に転載させて頂く記事の一つが本日の『猫』であります。パッと見には、可愛い猫の写真ですよね。実はこれが鉛筆書きの絵だというのです。
今にも息遣いが聞こえそうな猫やウサギ――。「音海はる」のペンネームで活動する山形市の大学3年生、工藤陽輝さん(20)の描く動物画が国内外で話題を呼んでいる。右目が見えないことから、こだわるのは「瞳」。色鉛筆で丹念に色を重ねて命を吹き込む作品は「写真にしか見えない」「生きているみたい」と評判だ。 高校2年生のとき、友人作の色鉛筆による風景画に衝撃を受けた。「子ども向けの画材だと思っていた色鉛筆で、こんなに繊細な表現ができるなんて」。休日を使って自分も挑戦した。最初に題材に選んだのは猫。「かわいい」という単純な気持ちだった。なかなか思い通りに描けず、猫カフェに通ったり、写真を眺めたりしながら練習を重ねた。 病気の影響で右目を失明した音海さんが動物の輪郭を決めた後、まず色を入れるのは目の中心部の瞳だ。「ハンディを負っている意識はない。でも、目を大切にしようという思いで最初に集中して描いている」。光の反射などを計算し、重ね塗りして繊細な色味を出していく。 これまでウサギやトラ、カブトムシなど約100点を完成させたが題材の半分は猫。「ずっと描いているから愛着がある。でも実は猫アレルギーなんです」と笑う。大学では美術表現を専攻する。卒業後は就職せず、色鉛筆画家として生きていくつもり (日本経済新聞 2022.1.4夕刊)より 吉田勝昭 画才の才がない私には、何とも表現のしようがない作品です。今の時代、平凡な就職をしなくても色鉛筆画家で、しっかりと喰っていけると思います。私もこの年ですから当たり前かもしれなせんが、目にはハンディーを負っています。音海はるさんほど深刻でないだけに、ここまで深掘りが出来ていません。若いはるさんに、就職しなくても春は必ず来ますよ。楽しみにしています。吉田勝昭先輩、ありがとうございます。 |
2022,01,12, Wednesday
日経新聞に面白い記事を見つけた。世界ブランド・ロレックス製の時計、例えば『デイトナ』などの高級時計を国内の正規販売店へ買い求めに通っても、標題のように100回通っても買えないという記事だ。私はこの行動とは真逆で、時計は正確な時を刻むだけの機能重視で、もう10年くらい『CASIO SPORT』3万円の汎用品を愛用している。ブランド時計には興味がないのですが、この記事のストーリー展開は興味深い。
男が3人よれば、若者層は「あの店の女性が可愛い」と言い、われわれ世代は「あの病院の先生が良い」と言い合うが、40歳から50歳代のシニア世代は「あの車&あの時計」という話題に花が咲く。隣で聞いていても、固有名詞(ブランド名)がどういう価値なのか全く分からないのですが、話の中身は面白そうだ。 記事を読むと、2020年の夏、東京・銀座のロレックスの正規販売店に人だかりが出来ていることから話しが展開している。ロレックス時計は60~200万円が普及価格帯で、会社員でも頑張れば手が届き、普段使いにも合う。井戸端会議でも、500万円、1000万円の話しは高松でも聞く機会がある。このような高級品を買うために、正規販売店へ足繁く通うことを『ロレックスマラソン』と言うらしい。 記者の伯父が7ヶ月間、休日に店舗を回り続けた。その数が200回を超えたある日、店員に「在庫を確認します」と言われた。結果招かれた奥の個室で、手袋をつけた店員が、GMTマスターⅡを覆う布をゆっくり外す。伯父は、「努力が報われたという思いで胸が震えた」と102万円で購入したことを振り返る。高級時計マーケットプレスの独『クロノ24』が、21年12月に発表した腕時計ブランドランキングで、ロレックスは首位だ。 先の記者も伯父に習い『ロレックスマラソン』を始め、偶然マラソンで知り合った40代夫婦客のヒントに納得。二人は店を訪れる際、そろってロレックス時計をはめていく。『実際に大事に使う顧客だとアピールする効果がある』という。海外の正規販売店で、店員と意気投合して人気モデルを取り置きしてもらったこともあるという。高松の彼も、低価格製品を二つくらい先に買うと話していました。 逆バージョンで高松のロレックスユーザーは、ロレックスに限らず高級品ほど横流しで100万円単位の利益を得ることもあると言う。その彼が苦労して手に入れた逸品を直ぐに売ったのが、狭い高松市内では知れ渡った。買った人が自慢タラタラ、その正規販売店で言いふらしたのだ。その後直ちに売却した彼は、新製品を手にしていないと言う。 新型コロナウィルス禍に伴う外出規制を受け、仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど高級ブランドクループもネット通販に注力するが、ロレックスは見向きもしない。「だから店に行く以外の選択肢はない」と40代の会社員。ある百貨店の時計売り場担当者は、「ロレックスに限れば来店客はむしろ増えている印象です」と振り返る。何だか今の世相を反映している逸話で、考えるところがありました。 |