年末の挨拶で、幼少からの友を訪ねた。その彼女に、「鬼門を開けたから松ちゃんが病気になったんや。私がしているようにひいらぎを活けたら、魔除けになる」と言われました。70歳近くまで生きて、近くにいる幼稚園からの女子は、『愛子ちゃん』と『恵美ちゃん』の二人。年末には必ずカレンダーを持って、近くにいながらの無沙汰を詫びることにしている。今年はカレンダーも品薄で、どうにか二本を調達して駆けつけた。
二人は、昨年9月の私の入院手術を大変心配してくれた。自らも癌を患った経験を持つ二人。同時に占いとか迷信に詳しい。私は気にしない方で、裏鬼門の位置にあった庭のブロック塀を除けて駐車場にした。これがまずかったようだ。開けたがために、鬼が入ってきたのだろう。自分では気にしないが、人に言われたら改めるに時間はかからない。
愛子ちゃんが、『ひいらぎ』を置いたら鬼門封じになるという。そうかそんな解決策があるなら、早速やってみることにした。ひいらぎはとげ状の鋸歯をもつ葉が特徴で、邪気を払う縁起木として生け垣や庭木に良く植えられるという。触れると、チクチクするのを鬼が嫌うからとも言われる。古くから邪鬼の侵入を防ぐと信じられ、庭木に使われてきた。
家の庭には表鬼門(北東)にヒイラギ、裏鬼門(南西)にナンテン(難を転じる)の木を植えると良いとされている(鬼門除け)。また、節分の夜、ヒイラギの枝と大豆の枝に鰯の頭を門戸に飾ると悪鬼を払うという(柊鰯)。そこで、ひいらぎを探すことにした。木や花に関することは、池田花店の池田義幸氏に聞いてみる。
年末年始の花卉セリ休止もあって、昨日15日に届いた。15日は昔の『成人の日』、長男の誕生日だ。届いた日は魔除けとは何の関係もないが、池田義幸氏に感謝して、本日ホームセンター西村ジョイ成合店で一式を購入して、友の言うように活けてみた。『ナンテン』も必要なら、またやってみる。『ナンテン』は一般的に販売されている。先の説なら裏と表の鬼門に飾る品物が違っているが、それでも無いより良いとする。
またこれを機会に、家相の勉強を動画投稿サイト『ユーチューブ』でやってみた。江戸時代から言われ出した、『住環境を整えるための秘策』のように説明されている。今の時代とは住宅環境が違う。例えば鬼門に、火を使う台所や湿気の多い風呂を作るなと言う。火災防火や、健康管理上宜しくないと言うことから始まっているようだ。とは良いながら、この狭い日本の住宅環境で、鬼門を気にしていたら家が建たないとも思う。
従って、鬼門封じ策が登場することになるのだが、動画投稿サイト『ユーチューブ』では、京都での鬼門対策が取り上げられていた。鬼門の位置に『白石』を並べたり、その白石と共に『いけず石』を置くというのもありました。京都は盆地で夏暑くじめじめし、冬は寒い。『住環境を整える』ための鬼門や、その対策を考えることに大きな意味があったのだと思う。
ウィキペディアには、ヒイラギは冬にも緑の葉と赤い実をつける植物なので、不死の象徴と考えられたという記述もあった。ヨーロッパの異教徒はヒイラギが男、ツタが女と考え、キリスト教以前から祭りに用いられていた。キリスト教のシンボルになるのは簡単なことで、先のとがったヒイラギの葉は十字架で処刑されたキリストの冠のイバラを表すとされ、赤い実はイバラが皮膚を貫いたとき珠となって落ちたキリストの血になったとされる(デズモンド・モリス『クリスマス・ウォッチング』(扶桑社)「42 家にヒイラギを吊るすのはなぜか?」)
ヒイラギは、日本だけの常緑樹ではなかったようだ。すると欧米にも鬼門があるのか。こう考えると、鬼門も教材になるものだ。