2018,10,30, Tuesday
今年の高松南支部の行く手は、兵庫県宝塚市です。高松からの距離からすればとても近いのですが、存外行ったことがないコースでした。目玉は、「宝塚大劇場宙組公演」を観ることです。
その前に六甲高山植物園・六甲オルゴールミュージアムを見学しました。圧巻は、六甲オルゴールミュージアム。毎時00分と30分に、オルゴールと影絵のショータイムが繰り広げられる。これはお薦めです。 宝塚歌劇団は、兵庫県宝塚市に本拠地を置く歌劇団。阪急電鉄の一部門であり、阪急阪神東宝グループのエンターテイメント・コミュニケーション事業運営であることから、運営は阪急の直営であり、阪急電鉄創遊事業本部歌劇事業部が行っている。このため、歌劇団員は阪急電鉄の従業員となっている。 1914年に初の公演を行って以来、今日も人気を集める未婚の女性だけで構成された歌劇団。現在は花(はな)・雪(ゆき)・星(ほし)・月(つき)・宙(そら)の5組と、いずれの組にも所属しない専科に分かれている。「宝塚」「ヅカ」などと略して呼ばれることも多い。 宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)と、東京宝塚劇場(東京都千代田区)を中心に公演を行っている。 舞台に出演するのは宝塚音楽学校の卒業生であり、全員が未婚女性である。団員たちは「タカラジェンヌ」の愛称で親しまれている。退団後の再入団は認められておらず、外部の俳優が本公演に出演することもない。また、団員が在団中に外部の舞台・テレビなどに出演することは少ない。 団員の育成が大きな特徴の一つであり、本公演の稽古期間は公演日数とほぼ同じである。他に、若手スターの勉強の場として新人公演が開催されたり、団員向けの劇団レッスン(無料)等も開講されている。教育の厳しさは、市井の話しでも有名。ここ出身の、大スターを数多く排出している。 収容数2000人以上という大規模劇場で常時公演し、舞台上には照明が当てられていることから、遠目からでも演者の表情が分かるように、大き目の付けまつげ、厚めのドーラン、強いアイライン等ほとんどの演者が華やかなメイクを施している。このメイクは宝塚大劇場内にある「サロン・ド・タカラヅカ」で予約をすれば、一般客(女性のみ)も体験が可能である。 女性だけの劇団であるため、男性役も女性が演じる。男性の役を「男役」・女性の役を「娘役」と言う。身長を目安に、劇団併設の宝塚音楽学校在籍中にどちらかを優先的に希望することになっているが、公式に定められてはいない。 また、入団後、男役から娘役への転向は多数の例があるが、娘役から男役への転向例は極めてまれである。創設初期の頃は娘役に人気が集まったが、現在は男役の方がファンの人気が圧倒的に高い。そのため舞台構成なども男役を中心に作られる。 併せて凄いのは、「音楽」。舞台と花道の間にオーケストラの定位置があり、そこで次々生の音楽を演奏している。見えているのは女性指揮者の頭だけだが、その左右には数十人の楽団員がそれぞれの楽器を携えて座っている。指揮者は、舞台の進行に合わせてタクトを振る。効果音は録音を使っているのかも知れないが、それにしても大迫力に驚く。 改めて「宝塚歌劇団」の、奥の深さを何年かぶりかに堪能しました。前の観劇の記憶は薄いのですが、改めて今日の宝塚歌劇団を堪能しました。これは日本が世界に誇れる、ジャパニーズ・オペラ、アメリカのミュージカルに引けをとらない「ザ・ショータイム」と言えると思います。 宿泊はすぐ近く、武庫川を挟んだ対岸の宝塚温泉の「ホテル若水」。3階の宴会場でしたが、続きの向こう側の宴会場で宙組の打ち上げをしているというので、大変賑わっていました。明日が休演日です。勿論通行止めでのぞくことも出来ず、あくまでも宝塚歌劇団は、ベールに包まれたものでした。 |
2018,10,29, Monday
10月29日(月)朝刊13頁経済教室欄に、ペンシルベニア州立大学准教授吉田二郎氏が書いた、日本の住宅市場の特異性を「使い捨て」の悪環境脱却をと題して書いた論文が掲載されている。ポイントにまとめられているように、(1)日本の建物価値は米国よりも急速に喪失(2)背景に生活様式の変化や耐震技術の進歩(3)建物状況調査を標準化し売買時に公表を、その通りだと現場を知る私は思う。
(1)で筆者の推計値だが、戸建て住宅の建物部分の平均経年減価率は東京で年5.8%、東京以外で6.7%。築後20年を経ても25~30%の建物価値は残る計算で、95%が失われるまで40~50年かかる。ただこの減価率は、米国の1.8%に比べれば圧倒的に大きい。米国では建物価値の95%が失われるまで、165年かかる計算になる。 さらに日本の商業用建物の減価率は、住宅よりもさらに大きく、東京で10.8%、東京以外で9.8%に達する。建物価値の95%が失われるのに30年もかからない計算になる。米国の商業用建物の減価率は、用途により0.4~3.4%なので、やはり日本の大きな減価率が際立つ。 日本の建物が使い捨てと言われてもしかたがない状況だが、なぜだろうか。よく耳にするのが、日本の建物は木造で、石やレンガで出てきている「欧米」とは違うという話しだが、しかし米国の住宅はほとんどが木造で、それでも経年減価率は低い。私も若い頃、ナイアガラの滝付近の住宅新築団地を見学したことがある。確かに外見は洋風仕上げだったが、躯体は間違いなく木造だった。 また日本は高温多湿で、木造建物の物理的寿命はどうしても短くなると言うのもよく聞く理由だ。しかし年間平均湿度は東京の62%、大阪の65%に対し、より気温の高いアトランタは67%、ニューオリンズとヒューストンでは74%に達する。しかしこれらの都市でも、日本のように建て替えが頻繁なわけではない。これもあたらない。 さらに日本では建物の法定耐用年数が木造住宅で22年なので、人の認識もそれに引きずられている、という理由も眉唾ものだ。米国の賃貸住宅の法定耐用年数は27.5年で、日本の年数と大差ない。では、より妥当な理由は何か。第一は、戦後の急速な生活スタイルの変化だ。この70年の間に、トイレとか風呂とか台所とか日本の住宅環境は変わったけれど、欧米では戦前から下水道も整備されていた。 第二が、耐震技術の進歩の早さだ。日本では10~20年に一度、大地震に伴って建築基準法の耐震基準が改正されてきた。十勝沖地震後の1971(昭和46)年の改正、宮城県沖地震後の81(昭和56)年の改正(新耐震基準の導入)、阪神大震災後の2000(平成12)年の改正など。耐震基準を強化すれば、建築物の多くが「既存不適格建築物」となる。耐震改修工事をするなら一層、建て替えようとなる。 国土交通省によると、08年に耐震性のなかった住宅の内、5年間で改修されたものが25万戸に対して、建て替えられたものは約4倍の105万戸であった。このように日本の不動産市場は、「悪い均衡」に陥っている。当然この逆になっている建物は、「良い均衡」で、建物の所有者が十分に維持管理し、長期間使用する。 品質を維持する改修が不足した物件が売りに出ていること(逆選択)を懸念して、買手は中古物件を敬遠するか、将来の改修・建て替え費用を織り込んで大きく値引いて購入しようとする。高値での売却が無理なのを見越して、所有者は必要な維持管理をしないで、売り逃げようとする。雨漏り箇所やシロアリがいたとしても、告知しただけで修理まではしない。 どうすれば、悪い均衡から抜け出すことが出来るのだろうか。標準的経済学が示すのは、まず売り手が品質に関して信用に足るシグナルを出すことが求められる。2018年4月から、中古住宅の劣化や不具合を調べる「建物現況調査」が始まっている。調査自体が義務化されたわけではないが、宅建業者が「売り注文」を貰う歳に、「インスペクションと呼ばれる「建物目視検査」をしますか?」と売主へ尋ねる。 相続で取得した実家ともなれば、18歳で家を出て50年、建物の現況は分かるまい。専門家が検査をして、検査書を作ってくれるのは媒介業者としてもありがたい。私も平成24年度国土交通省「中古不動産流通市場の活性化に関する調査検討業務」から4年間、インスペクションと呼ばれる「建物目視検査」制度を軌道に乗せる一役を担った。 さらに米国で行われているように、過去の維持管理、改修の契約記録を保存しておくのも有効だ。不動産登記から維持管理記録まで、すべて電子的にブロックチェーン(分散型台帳)化し、公開していくのが良い。現在のように100%理想的な改築か、逆に何もしないかの選択ではなく、0~100%の間で連続的に改修の課程を選択し、その結果が価格に反映されるようにすれば、全体としてストックの耐震化と品質向上が進み、市場の流動性も高まる。それが、不動産の使い捨てから脱却するための道筋だろう。 |
2018,10,28, Sunday
来春の選抜大会の重要な選考資料となる秋季四国地区高校野球大会が27日から延べ4日間、高松市生島町のレグザムスタジアムとレグザムボールパーク丸亀の2球場に各県代表12校が出場して開催されている。香川県からは、4年連続36度目出場の高松商と、4年ぶり8度目の志度、7年連続7度目の英明が出ている。
わが高松商は、28日10時からレグザムボールパーク丸亀で高知県3位の明徳義塾と対戦し、4X-2で勝利し来週11月3日(土)12:30からレグザムスタジアムで準決勝戦を戦う。2年連続の4強入り。これに勝利したら、来春の選抜出場を確実なものにする。もう1勝だ。一方県勢2位の志度と3位の英明は、27日の試合で敗れた。高松商に、大きな期待がかかる。 明徳義塾との戦いは、3回表に2点を明徳義塾が奪取して、苦しい戦いを強いられた高松商が、6回裏に相手のまずい守りもあって得た2死一・二塁で8番篠原一球が左前適時打して1点。次の7回裏に2死から3番香川卓摩4番の立岩知樹が連打し、続く5番岸本将翔が中堅へはじき返し同点。さらに6番浅野怜が右翼へ二塁打。一挙3点を奪い、そのまま4X-2で逆転勝利を収めた。 チーム防御率1.50、エース香川卓摩投手は、最速140キロの直球にスライダー、チェンジアップなど多彩な変化球を織り交ぜながら明徳義塾の強力打線を7安打2点に抑えた粘投。3回に2点獲られて、開き直ったのが良かった。三振2に四死球5が、気になった。三振は県大会のようには獲れない。四死球から、相手に得点を許した。 エースを中心に、守りからリズムを作る似たタイプの両校だったか、2点先制された高松商が落ち着いて、小結格(高知3位)の明徳義塾を土俵際でうっちゃった感じ。高松商の11安打は相手のエラー気味安打もあったが、エラー0で、5回1死一・三塁、続く6回1死一塁でダブルプレーも獲れて、明徳義塾の波状攻撃を防いだ。守備の勝利と言えそうだ。 チーム打率3割2分6厘の高松商打線は、相手服部投手の低めに制球される縦のスライダーから長打を奪えず、長打は6番浅野怜の二塁打1本。6番浅野怜選手は、3安打1四球と大活躍だが打ち勝ったという印象はない。明徳義塾リードの7回、1死からのスクイズバントをボール球で凌いだ戦いは、偶然かも知れないが古豪高松商の歴史を感じた。 もう一つ、8回の送りバントでランナーを3塁まで進めたように見えた2番大塚慶汰選手のバント、結果的にはラインの内側を走ったとして、バッターアウトになったがこれも紙一重、成功していたら実に上手い隠れたファインプレーになったと思う。その昔、若宮誠一元監督は「あたれ」という作戦を奨励した。今はデッドボールをよけなければ出塁にならないが、若宮時代は、逃げると叱られたと聞く。 しかし反面、心配もある。1番の飛倉爽汰君が、調子を落としている。8回裏は1番打者として登場、ここまで無安打3三振だがやっと一本安打が出た。2番大塚慶汰選手が先の絶妙の送りバントに挑んで、結果はバッターアウトになったが、これが高松商の攻撃パターン。1番打者飛倉爽汰選手が出塁し、2番が送り3番4番とつながないと、高松商は苦しい展開になる。そしてもう一人、4番の立岩知樹選手も1安打したがあたっていない。本来の4番打者、岡井祐斗選手の復調が待たれる。 来月3日の対戦相手は、高知1位の高知商。3年ぶり42度目の出場。25年ぶりの選抜出場に、1年生が最多で5人いるチームは燃えている。 チーム防御率1.00、チーム打率3割7分1厘といずれも高松商の上をいく内容だが、高松商は女子応援団やわれわれジジババの応援も力にして、総合力で勝って欲しい。 あと1勝で来春の甲子園出場を確実にし、2勝したら明治神宮大会(全国地区代表10校)が待っている。今年は明治維新百五十年記念として、11月9日(金)~13日(火)東京・神宮球場で開催される。残念ながら今年の私は、10日に京都賞授賞式観覧があって行けない。 |
2018,10,27, Saturday
今回は高松市松縄町にある、ら・なら別館「絆」で、西陣織研究家尾田美和子(平成4年卒)さんの話を聞きました。4月に「先輩講話」として、生徒が聞いた話を今度は先輩が聞いたのでした。私も少し遅れて入ったために、パワーポイント数枚分は聞いていないのかも知れません。と言うのも、香川県下に2泊したという二人のお嬢さんを、空港行きリムジンバス停までお送りしていました。
高松商の校長室に飾られた西陣織の絵。2016年春の選抜大会で準優勝し、甲子園を行進する球児たちだ。卒業生として寄贈した。 決勝戦の後、懇意にしていた京都の業者に制作を発注。絵の「設計図」だけで半年かかるが「とにかく急いで」と訴え、夏の大会までに仕上げてもらった。誇らしげな球児の表情を、生き生きと表した作品ができあがった。 兵庫県姫路市生まれで、高松市に住む。呉服店を営んでいた祖母の影響で和服に触れ、香川大大学院で西陣織の歴史や製造工程を研究した。 15年、「tsutaeru(ツタエル)」を創業。西陣織など伝統工芸品の制作を企画したり、支援したりしている。 16年春は、出張先から戻る電車内で母校の準決勝の結果を知り、Uターンして甲子園で決勝を見届けた。 高校2年だった90年の選抜にも、母校は甲子園に出場。2回、応援に行った。大会でエースが1試合で18三振を奪い、新聞に大きく取り上げられたのが印象に残っている。 高松商には、中学で実力を認められた生徒が入ってくる。「最初はみんな4番打者になりたいけれど、やがて自分の役割を認識し、それが伝統をつくってきた」。対して西陣織も、絵を描く人、織る人たちが1千年超の歴史を刻んできた。100年の高校野球とは異なるが、相通じるものがあると感じている。=高校野球編(江湖 良二)2018年7月7日 思い出した、中筋政人元校長が嬉しそうにしていたのを思いだした。西陣織りという伝統技術と、着物帯以外の商品をコラボさせて、新商品に仕立てるのが尾田美和子さんの仕事です。そのために、TSUTAERUという会社を設立して東奔西走している。自分の思いが本物であれば、必ず成功するという信念を持っている。 香川大学大学院で伝統工芸の研究に没頭し、たどり着いた題材が京都西陣織。伝統工芸の伝承が「飯が食えない」ことから、途絶えそうという危機を、彼女は第三者の立場ながら、どうするかを真剣に考えている。期待の100%達成は満足に過ぎず、120%の感動を商品化につなげたいと動いている。 2017年11月20日 平成29年度働く女性活躍応援セミナー(丸亀市)起業・創業支援セミナー 講師(主催:香川県) 2017年11月11日 平成29年度働く女性活躍応援セミナー(高松市)起業・創業支援セミナー 講師(主催:香川県) 2017年11月2日 香川県中小企業家同友会「第24期同友会大学第8講」 講師(主催:香川県中小企業家同友会) |