第103回全国高校野球選手権大会第15日は29日、甲子園球場で決勝戦が行われ、和歌山と奈良の代表校『智弁』兄弟校対決で、9-2『智弁和歌山(和歌山)』が征して大会優勝旗を手にした。初回に4点をリードした智弁和歌山が、終始主導権を握って全国の頂点へ駆け上がった。高松商に勝利した学校は、昔から良いところまで行くというジンクスがあるのですが、てっぺんを獲ったのには恐れ入りました。
高松商に勝ってその後栄冠を手にした学校は幾つかあるのですが、圧巻は今から50年以上前、当時の『北四国大会』で高松商に勝利した松山商が、いまだに甲子園の歴史として語り継がれる青森三沢高校との決勝戦再試合、あれが1番の顕著な例です。あの頃は香川県大会で勝って、愛媛県勢と戦って、どちらかが甲子園への切符を手にしていたのです。
今年の第103回大会は、新型コロナウィルス禍で前年度の夏の大会が中止、その余波で今年も県大会で東海大相模や星稜が感染者出現のため辞退、本戦でも宮崎商や東北福祉が試合直前で辞退と、大会本部も頭を悩ませた。応援も当初1校2000人学校関係者限定から、中盤にはチェアとブラスバンドが参加できず、音源は録音でと何とか決勝戦までパンデミックを防いで、全日程を終えた。
また序盤は天候不順で、7回雨天順延となったのも甲子園記録の一つ。ノーゲームも2試合。高松商も甲子園へ応援のバスを出したのですが、私たちおじさんおばさん卒業生はその中には入れず、甲子園へ行った応援団も、序盤の天候不良のため、大変だったようです。バスの乗車も定員の半数、食事の弁当もサービスエリアのベンチで済ます有様。試合日程も突然入れ替わり、その日の午前中に言われて夕方の試合だったのが、『智弁和歌山』との2回戦でした。
それでも決勝戦まで、甲子園での大会が出来たのは、大会本部、都道府県野球連盟、球場整備関係者等、多くの皆さまのご努力で終えることが出来ました。本日の決勝戦を2021年の終点として、明日から新チームでの編成がはじまり、来月には春の選抜大会への都道府県大会予選が始まります。全国的には、寮制をとっている高等学校も散見されます。1校でもクラスターが発生すると、大会自体が消滅する可能性も心配されます。
第103回が終わったと言うより、第104回へ向けて、はじまったと言えると思います。少年野球の人口が減っていると言われて久しいのですが、甲子園高校野球大会がある限り、高校野球は不滅です。そして『女子硬式野球大会』の優勝戦がこちらも甲子園ではじめて開催されました。私も女子硬式野球が並行して行われているのは、知りませんでした。男子以上に溌剌とプレーする女子、来年も準決勝戦ぐらいからは甲子園でさせてあげたい。