20日土曜日の日経新聞に、『マネーのまなび』という特集記事が掲載されています。標題の記事は、編集委員の田村正之さんが書いたものです。田村正之さんは、本も沢山書いていて無理のない投資を薦めていますが、その底辺にある教えは『長期・分散・積立・低コスト』です。そして彼は高松市出身、宗家くつわ堂田村日出男様のご子息です。
彼の書き物はよく分かるのですが、元来『投資心』のなかった私には、日経平均株価3万円の仕組みがよく分かりません。しかし日経平均株価が、1990(平成2)年8月以来30年半ぶりに3万円台を回復したというのは分かります。30年半前は、日本中がバブルで踊った頃です。前年つまり1989(平成元)年の大納会(12月29日)で、38,915.87円の史上最高値をつけました。それが年明け大発会から、急落。
この月初、円ドル相場は円安傾向となり、120円から160円まで下落しています。つまり『円安株高』のセオリー通りに市場は動いたのですが、年明けから徐々に日経平均株価は下がり続けて、つまりこの頃の3万円は下がり値の3万円で、昨今の3万円は駆け上がった3万円であります。この程度の動きはなんとなく分かるのですが、この数字が持つ意味というか、このコロナショックで右往左往しているこの後はどうなるかを含めて分かりません。
株価=BPS(1株あたり純資産)×PBR(株価純資産倍率)
現在の株価3万円≒BPS約2万3,000円×PBR1.3倍強
これが1989年末をピークとするバブル期の前後には、PBRが5~6倍になっていて説明困難な高値。適正な水準になるまで長い時間がかかり、BPS(1株あたり純資産)が増えた時期も、PBR(株価純資産倍率)の低下で株価は不振だったのです。
ややこしくなりますが、
PBR=PER(株価収益率)×ROE(株主資本利益率)
常識的な数字として、PERは経営効率を表すようですが国際的には中期で15倍。株価が予想利益の何倍まで織り込んでいるかを表しています。ROEは利益で考えた成長期待で8~10%。これを計算するとPBRは、1.2倍となります。
この30年間で忘れ去られていた、『株価は長期的に上昇する』というセオリーに立ち返り、資産に株式や株式投資信託を組み入れることで、長期の資産形成によって果実を生む公算が目に見えるようになってきました。『老後2千万円問題』も、人生100年となると、現実味を帯びています。
私も日本FP協会のAFPで、若干ライフプランを学んでからは、投資も余裕の範囲で取り組むべきだと思い始めました。まずは『私的年金』と呼ばれる『家賃』が一番。次にNISAやイデコ(60歳まで)のような非課税商品への出資は欠かせないモノだと思います。極端に言えば、月額1万円の預金をするのであれば銀行口座ではなく、先の非課税積立商品にやるべきだと思います。意識を変えないといけない時代です。