「レイライン(ley line)」とは、古代の遺跡や巨石群、神社仏閣などが、不思議と一直線上に並んで位置するように見える現象をいい、1921年にイギリスのアマチュア考古学者によって提唱されました。単なる偶然なのか、それとも特別な意味があるのか、考古学上のロマンとして人々の想像力を刺激しています。世界中にあるようですが、日本ではパワースポットとして捉えられています。
日本には、壮大なレイラインがあることをご存知でしょうか。日が昇る太平洋側に面した玉前神社(千葉)から、日が沈む日本海を目前に望む出雲大社(島根)を結ぶ、700km以上にも及ぶレイラインです。このライン上には、寒川神社(神奈川)、富士山、身延山(山梨)、伊吹山(滋賀、岐阜)、竹生島(ちくぶしま、滋賀)、元伊勢(京都)、大山(鳥取)といった、日本を代表する聖地が並んでいることがわかります。
東西を貫くこのラインは、春分と秋分の日に太陽の通り道となることから、神道や修験道の世界では「御来光の道」とされ、現在も強力なパワースポットとして知られています。単なる偶然か、それとも特別な意味があるのだろうか。考古学上のロマンとして人々の想像力をかき立てる。
古より、太陽は世界中で神格化され敬われてきました。神道でも、「天照大神」が太陽神として崇敬されてきた歴史があります。そのため、太陽が真東から登り真西に沈む春分、秋分の日は特別な日となり、「彼岸」の風習がうまれたのですね。秋分の日が過ぎると昼間が短くなり、季節は冬に向かっていきます。今年のお彼岸は、太陽の「御来光」を感じながら、ご先祖さまに思いを寄せる、そんな穏やかな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
ちなみに九十九里浜に近い玉前神社は、東に開ける太平洋に向かって建立。西の端に位置する出雲大社は、南に面しているにもかかわらず、祭神の大国主神が、夕日の沈む西を向いている鎮座している。21世紀になってもよく分からない神秘的なモノ、分からないで混沌としている科学的知見。一律でないのが、面白いのかも知れません。