2020,02,04, Tuesday
1日、福島県警航空隊のヘリコプター「あづま」が不時着して、搭乗していた警察官や医師ら7人のうち4人が骨折の重傷、3人は軽傷で、幸いなことに死者はいなかった。パイロットが住宅地を避けて、田んぼに降りた(落ちた)のが、被害を最小限に抑えることにつながったのだろう。ヘリコプターは、脳死男性から摘出した臓器移植用の心臓を搬送していたが、移植には至らなかった。摘出後、24時間以内に移植とかのルールがあるようだ。
このニュースの前後で、香川県が医師や医療機器を乗せて救急現場へ急行する「ドクターヘリ」を導入する方針を固めたようだ。何と、全国47度道府県でドクターヘリがないのは、東京都と香川県だけというので驚いた。香川県では、防災ヘリが早くに整備され、ある意味代用がなされていた。しかしそもそもだが、防災ヘリとドクターヘリは装備が大きく異なる。導入に2億円、毎年の費用が1億数千万と聞けば、確かに躊躇する。 しかし島しょう部を多く抱える香川県が、これからドクターヘリを活用するならば、今以上の安全性・迅速性が担保できる。瀬戸内国際芸術祭2022も開催され、多くの見学者がどんどん島へ渡る。船よりヘリコが速いのは、誰も目にもわかる。県民としては導入に反対することはないのだが、原資もさることながら、人の問題も浮上する。 ドクターヘリ導入のためには、フライトドクターが6~8人、看護師も8人程度は少なくても必要になる。医療関係者で作る検討委からの「導入が適当」との提言を踏まえ、県は早期の導入を目指す。救命救急センターの県中央病院(高松市朝日町)と、香川大学医学部付属病院(三木町池戸)の2カ所を基地病院とすることなどを提言している。 この二つには含まれない、わが町の高松立みんなの病院は、がんの治療と救急救命を病院運営の柱としていた。そのことに触れられていないのは、病院の完成に2年半の遅れが出て、専門勤務医の確保が著しく遅れているとも聞く。導入には国の補助金を活用し、県負担額については初期導入費として約2億円、ランニングコストが年1億~1億3千万円。しかし命に大きく貢献するドクターヘリ導入は、喫緊の課題だろう。 |