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初期診療をこなす家庭医制度を構築すべきだ
新型コロナウィルスの感染拡大は、日本の医療提供体制のもろさを浮き彫りにした。人口あたり患者数が米英の10分の1でも病床が足りなくなり、緊急事態宣言を3度出す事態に追い込まれた。この1年間、何をしていたのかと言われても結果がすべてを物語っている。日本に、急性期病床は約88万9千床もある。人口千人あたりでは7.8床と、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も多い。

しかし、重症患者に対するはずの急性期病床でコロナ患者を受け入れたのは、僅か3%にすぎない。それも公立・公的病院が大半だ。全病院の8割を占める民間病院の受け入れは限りなく少ない。それは民間病院の7割弱は、200床未満と規模が小さく人材も手薄で余力が乏しい。1月末時点で全国自治体病院協議会が実施した調査では、400床以上の公立病院に入院するコロナ患者の3分の1が軽症で、重傷者は1割に満たなかった。

大規模な公立病院や大学病院は、重傷者を中心とした受け入れに特化した方が良い。集中治療室(ICU)や体外式膜式人工肺(ECMOエクモ)など、重傷者向けの治療設備やこれを使いこなす人材を集中的に配備すべきだ。そして重傷者に対応出来ない中規模以下の病院は、中等症を中心にコロナ患者を受け入れてほしい。患者が重症化したら速やかに重症患者向け病院に転院させるなど、地域の医療機関が密接に連携して、一体的な医療を提供する流れを再構築する必要性は、論を俟たない。

これを可能にするには、『家庭医制度』を導入すべきだと私は考えます。医療の主役である患者第一主義を貫きつつ、効果が高くコストが低い医療体制に向けた再構築の鍵を握るのは、欧州などで一般化している『家庭医制度』の普及であります。さまざまな病を、一通り診る力を備えた身近な医師だ。総合医療医などとも呼ばれる。健康保健証さえあれば、どの病院・診療所にもかかれる「フリーアクセス」が、日本の世界に冠たる国民皆保険。今からはこの使い方が、効率化し人間の尊厳につながる。

医療機関の徹底した役割分担の必要性は、コロナ前から指摘されていた。軽い病気なのに大病院で受診する人が多く、3時間待たされて診療時間は3分。患者に追われて、数十時間も寝ずに手術する外科医がいる。一方で急性期病床を名乗りながら、重篤でない患者で病床を埋める病院がある。無責任に逃げる医療が、ほんの一部だがまかり通っている気がする。

『家庭医制度』が浸透している国の一つが、英国だ。税財源で運営する同国の医療制度NHSは、原則として患者に医療費の負担を求めない。その代わりに患者はGPと呼ばれる資格を持つ家庭医に登録し、病院でなく登録GPにかかるのを基本とする。GPは、担当患者の健康管理にも携わる。日本では、英国の登録GPと開業医をドッキングさせれば良いと私は思う。

それともう一つ、医療界のデジタル化も進んでいる。昨今の日本人は、比較的大勢が『人間ドック』などの定期検診を受診している。このデーターを、『家庭医』に提供するのだ。市区町村が主催する簡単な検査でも、デジタルデーターとして、それぞれで保管されている。私も年に一度、定期検診を受けて、3年に一度は『PET検診』もしています。これらのデーターに『家庭医』が、自由にアクセスすることが出来るようであれば、家庭医のレベルも上がる。

このデーターが読めないような家庭医は、これは論外で、勉強してもらうしか生き残れない。医師免許は期間の更新もなく、終生保証されている資格ですが、これからはある意味このドクターはこのレベルにあるという国民に分かりやすいステータスの表示に応じて、『家庭医』が選ばれることになると理想だ。検査機材は高額で、買うことが出来ない医師でも、その資料を使うことが出来るとなると実に有益だ。

開業医であれば、何人ぐらいの患者がキャパシティか自らが分かる。この範囲内で、患者を囲い込み通常診療や急患に備える。それは義務でもあり、誇りでもある。どうしても己の力を超える患者は、その時に大規模救急病院へ助けを求めれば良い。そして登録患者一人に、年間いくらという診療報酬を出す。顔の見える医師と患者、これが基本ではないだろうか。ワクチン接種も、家庭医がするともう一つ安心だ。


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| 社長日記 | 08:56 AM | comments (0) | trackback (0) |

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