2022,08,08, Monday
高松商の先輩・吉田勝昭氏からのメールであります。毎日のように届くメールですが、今『高松商』のホルダーの中は、甲子園出場募金や甲子園応援のための質問メールとか、そんなのが一杯入ってきています。先輩からの今日のメールは、私も昨年食道ガンを経験したことから、身につまされて読んで、吉田勝昭氏の許しを得て転載させて頂いております。
32.天国で会いたい人は? 親しい友人が「これを読め」と山崎章郎医師の本を紹介してくれた。山崎先生は自身が大腸がんのステージ4であるので、自分を実験台にして、抗がん剤や免疫療法、サプリメント療法を試みられた。その体験レポート本であるので説得力がありました。内容はがんの実態を書いてくれています。 1. 名高い免疫療法の本庶佑先生のオプジーボは、2022年現在1か月約100万円の治療費がかかっても、肺がんに対する延命効果は2・8か月といわれる。 2. がんの治療期間中は、延命された時間のほとんどが、辛い副作用との闘いの日々に費やされる。 3. さらに、副作用の症状が軽減したとしても、抗がん剤の持つ毒性が消失するわけではない。 4. 残念ではあるが、1日でも長い延命を目指して頑張ってみても、ガンの進行は止められず、やがて通院も難しくなるぐらい体力が低下してくる、それが現実である。との記載に私は唖然としました。 これを先生自身が体験・実感しているので、末期がんの患者さんに対しても「がんは治ります」とは言えない。死期を悟った患者さんから「余命いくらですか」とよく問われる。そのとき先生は、「残念ながら私より先に亡くなることになるあなたに、一つ質問していいですか」と問いかける。そして、「あなたは、ご自身が死んだら天国では誰に会いたいですか」との問いに、大部分の患者さんが「お母さんに会いたいです」と答える、という。がんで死を迎える方は60歳以上が多いので、ご両親は既に他界している場合がほとんどなのです。 そこで先生が「それではお母さんにバトンタッチするまでお供しますね」と伝えると、患者は笑みを浮かべて「よろしくお願いします」と握手のための手を差し伸べてくる。そして「先生、またあの世でお会いしたいです。待っていますね」と言われた。この時、死は永遠の別れではなく再会の希望になる。だから「さよなら」は言わないのだ。 これなんかは凄い記述ですね。涙なくして読めません。私も父親の愛情も分かる歳になっていますが、母親の苦労を知っているだけに、天国では先に母親に会いたいと思います。この本はガンで悩んでいる人に推薦したいと思っています。山崎章郎著「がんを悪化させない試み」新潮選書 2022/08/07 |