2020,03,26, Thursday
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、中国や韓国と日本の間の物流で、定期便に比べて割高な航空貨物チャーター需要が急増しているという。通常はほとんど利用がないANAカーゴでは、今後60便以上を用意するという。意外な新型コロナウィルス感染症特需が、こんな所にあるようだ。
中国・韓国向けの旅客便が、新型コロナウィルス拡大前に比べ、9割減ったためだという。航空貨物は、旅客機の手荷物分を除いた余剰スペースを使う場合と、貨物専用機で運ぶ場合があるようだ。中韓向けの旅客機が激減し、定期の貨物専用機に需要が集中している。人の往来が減っても、半導体や自動車メーカーを中心に、物流コストは増えても納期遵守を優先する企業からのモノの移動は多いという。 日本郵船傘下で、貨物専門の日本貨物航空では、成田-上海便で、20年1~2月は輸送量が前年同期比で2割増えたという。日通も3月だけで25便以上を手配し、今後更に増やすという。ある電子部品大手は、製品の輸出時は総重量の約半分が航空便だという。旅客便の減便には出荷、部材調達共にルート変更やチャーター便の活用で応じている。 チャーター便が増えた背景には、コンテナ船の減便もあるようだ。同量の荷物なら、一般的には航空輸送は海上輸送の約10倍のコストがかかる。しかしコスト度外視で、航空機に切り替える動きが出てきた。新型コロナウィルスの影響で、中国へ向かう船が極端に減便している。 貨物チャーター便で、思い出したことがあります。2月に神奈川県横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で新型コロナウィルスの集団感染が発生したことに伴い、アメリカ政府からの要請でカリッタ航空機材によるチャーター便2機を羽田空港に派遣したことがありました。同船に乗船していたアメリカ国籍の乗客計328人を羽田から、カリフォルニア州とテキサス州の空軍基地にそれぞれ移送したのでした。 ところがこのカリッタ航空は、米の貨物専用航空会社で、アメリカ軍人の死体運搬を一手に担っている航空会社です。羽田空港でカリッタ航空を見たアメリカ人は、どう思ったか。「自分たちは死体で空軍基地へ運ばれるのか」、そう思った人もいたでしょうね。トランプ大統領は、思い切ったことをする人だ。 |