2018,07,02, Monday
6月26日(火)の日経新聞によると、日本と欧州をつなぐインターネット回線をより高速化するために、新たに北極海を経由する海底通信ケーブル敷設の整備計画が、フィンランド政府と国営企業などが中心となり、北極海(恐らくベーリング海も)を経由して北海道へという構想が一面に掲載されている。
私もこの記事を読みながら、「孫のために」買い求めている「地球儀」を文字通り上から眺めた。なかなか良い構想だ。これまで日欧を結ぶケーブルは、ユーラシア大陸を横断するルートが中心だった。新計画は、機密情報を侵害する恐れがある他国を経由するリスクが抑えられるメリットがある。万一紛争にでもなれば、ケーブルの寸断も懸念される。 日本の海底ケーブルは、アメリカへの大動脈を見ても、太平洋側に多い。東日本大震災でも、複数のケーブルが被災した。北極海ルートは、日本海側を活用する計画で、大規模災害のリスクを減らすことになる。新設するケーブルの総延長は約1万㎞。建設費は約900億円で、早ければ2020年に開通する見込み。900億円は、思ったより安い。 米国やロシアなど、8カ国の機関・企業が参加する北極経済協議会と共同で取り組む。同評議会は、27日から札幌市で国際会議を開く。ここで一気に具体的な構想が決定するかも知れない。日本企業にも出資を募る方向で、日本側がファンドを組んで参画する案もあると言う。 フィンランド側は中国向け事業も検討しており、北欧と日本を結ぶケーブルを足がかりとして、アジア各国への展開を狙っている。これまでは、日本から西へ進んで欧州へというルートが中心だったが、欧州の中心がイギリス・フランス・ドイツから北欧などの国に移るにつれ、北極海ルートが脚光を浴びてきた。 既に、北極海を航行するコンテナ便も就航していると聞く。地球温暖化の影響で、北極海の氷も昔ほどではなく、また船の砕氷技術も格段に進歩している。これまで使えたものが使えなくなり、逆に使えるようになるのなら、果敢に挑戦するのも生きる道だ。生きることが出来るようになることは、人類の幸福をもたらすのは自明だ。 |