私たちの暮らしは、昔に比べると随分便利で豊かになりました。けれども、その一方で人と人のつながりが弱くなり、高齢者の問題や災害対応など、個人では解決出来ない様々な問題があることも分かってきました。隣近所に住む人たちの間に、お互いの顔が見える関係があり、「おたがいさま」「おかげさま」の意識が共有出来ていれば、いざという時、きっと頼りになることでしょう。
自治会長さんには、ぜひ会員(町民)の皆さまと話し合いながら、「いざ!」という時に備えた地域の絆づくりを一緒に進めて頂きたいと思います。本日の連合自治会総会で、『自治会長の手引き』としてプレゼントされた資料の中に、以上のように書かれていました。私は2年目の、出作一丁目自治会長であります。
自治会は、自分たちの住む地域を住みやすくするために、地域住民によって作られる最も身近な組織です。今日の地域問題は、広域的な取り組みが不可欠となっています。そのため、各地域ごとに連合自治会が組織されています。一般の自治会は、この連合自治会に対して、単位自治会と呼ばれています。
高松市では、自治基本条例に基づき、地域コミュニティを軸とした地域みずからのまちづくりを推進しており、自治会はその中心として、地域全体の街づくりを牽引しています。自治会の意見や要望は、コミュニティ協議会を通じて市に届けられます。上部団体として、(一社)高松市コミュニティ連合会もあります。
仏生山町には67の単位自治会があり、2300世帯が加入し、推定ですが加入率は60%。基本的には古い町ですから、組織率は高い方ですが、新しい宅地開発で誕生した住宅地は、開発業者の考え方次第で新しく誕生する自治会を含めて、加入率が極端に変わるようです。グランドスケープデザインがしっかりしていたら、自治会活動も活発で新しい町が出来ています。
昨今の不動産開発業者は、市がやるような公共施設の設置や改修までやっています。開発行為の計画に、例えば農業用水路(生活排水用を兼ねる)の改修も開発工事の中に含まれます。許可をもらうには、やらざるを得ないのです。結果この宅地や建物を買う人の負担に転嫁されますが、まずは開発業者が負担します。従って開発業社の代表者の考え方一つで、その後の町の顔は変わります。
一方中古物件の利活用は、不動産業者の双肩にかかっています。単に空きを埋めれば良かった過去の業務から、街づくりのランドスケープが求められるようになってきています。しかし大きなことを考える前に、自分の住む町の自治会長として、まずは毎月の市報配りなど、賽の河原の石積みのような仕事からはじめます。横目では、空き家が確実に増えていることも認識しています。