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天才by石原慎太郎
2016(平成28)年1月、今からわずか5年前に幻冬舎から出版された、作家・石原慎太郎元東京都知事が、元首相・田中角栄に成り代わって書いた衝撃のモノローグ(独白)。さも田中角栄が、自分の一生を書き綴ったかのような筆致で書かれている。反田中角栄の急先鋒だった石原が、いまなぜ『田中角栄』に惹かれるのか。マスコミの煽りもあってか、60万部が売れたという。

私もその中の一人で、大枚1,400円をつぎ込んで買ったは良いが、書棚にしまい込んでいた。石原慎太郎氏の死去に伴い、メディアが彼の生前をいろいろな角度から報じている。過激派政治家集団青嵐会を組織し、政界の浄化を声高に叫んでいた石原慎太郎であったが、『対アメリカ』ではどの政治家、官僚たちより『反アメリカ』の持論を展開し、その内容が敗戦国日本人の心にまで劣等感を植え付け、未だにぬぐい去れない深い傷として残っているのはつまらないと持論を展開していた。

石原慎太郎は憲法改正を声高に叫んでいたが、具体的に現憲法のどこに問題があって改正せよというロジックではなく、アメリカが押しつけた憲法であるから気に入らないと言う。故に、改正せよとの持論を展開していたほど、アメリカ迎合の社会が嫌いだった。この『反アメリカ論』では、田中角栄とよく似た考えであったと思われる。

手にしたときは、田中角栄の悪口を言うのにわざわざ本にして、憎々しい田中角栄の写真を大写しにして、石原慎太郎も小さな男だと思ったものでした。しかし読んでみると、一人称で角栄さんが書いているような錯覚を覚える。田中角栄の総理就任後は比較的私も知っているが、その前の下りは、単に雪国から出てきたと言うだけではなかったことを知った。

田中角栄氏は、1918(大正7)年に新潟県現・柏市に生まれる。父親が博労でおまけに道楽者、卒業式の答辞を読むくらいの学力があった角栄だが、中学校進学を諦め15歳で高等小学校を卒業し、働きながら上京し中央工学校土木科の夜間部に通ったりしていた。やがて応召、満州で兵役に就く。昭和16年23歳で肺炎を患い、内地へ帰還。治癒とともに除隊、東京飯田橋で田中建築事務所を開設して人生のエンジンがかかる。

戦火が激しくなる中、昭和17年24歳で結婚し、長男・正法が誕生。後年の5歳児、夭折。昭和19年に、あの長女・眞紀子が誕生している。昭和21年28歳、進歩党公認で第22回衆議院総選挙に出馬するも落選。角栄の選挙上手は、ここに原点を置くようだ。翌年の第23回総選挙で、新潟三区から民主党公認で出馬し当選。先に書いたように長男・正法が、当選後死去。中曽根康弘元首相と同期当選で、『ブルドーザー田中』と『エリート中曽根』の奇妙だが息の合った関係がここから始まる。

もう一つだけ、田中角栄の政治家人生について触れておきたい。1952(昭和27)年議員5年生の田中角栄が、議員立法により『新道路法』や『宅地建物取引業法』を使上げている。端的に言って政治家個人としての独自の発想で、まだ若い時代に四十近い議員立法を為し遂げ、それが未だに法律として通用しているという実績を持つ政治家は他に誰もいはしまい。まさに天才と言っても、過言ではない。

特に通産大臣として彼が行った数々の日米交渉が証するモノは、彼はよい意味でのナショナリスト、つまり愛国者だったということだ。彼は雪に埋もれる裏日本の復権を目指したように、故郷への愛着と同じようにこの国にも愛着していたと言うことになる。

ここから田中角栄は、自分と同じ愛国者だったと石原慎太郎は言いたかったのだろうか。田中角栄は、アメリカになびかず、そのアメリカに殺された。石原慎太郎も著書のアメリカ出版を拒み、アメリカにNoを言えた数少ない日本の政治家だと思う。アメリカの核の傘下であることは私も否定しないが、Yes・Noのオンオフを巧みに使い分ける日本国になって貰いたい。

特に新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、アメリカ軍基地のあり方が問題化しているが、横田基地の空域権は、どうしても再考を要する課題だ。放っておいて、アメリカからの改善提案は決してこない。アメリカを敵にして日本は生きられないが、いつの場合でもアメリカが見方だと思うのは幻想だ。ある意味覚醒した政治家が、出てほしいものだ。



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| 社長日記 | 09:33 AM | comments (0) | trackback (0) |
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