2020,12,19, Saturday
徳島文理大(本部・徳島市)は18日、さぬき市志度の香川キャンバスを、高松市浜ノ町のJR高松駅隣接地に全面移転すると発表した。地上17階建て地下1階の新校舎を建築し「高松駅キャンパス」とする。4学部9学科と大学院をすべて移し、2025年4月に開学する予定だという。さぬき市の現キャンパスは、学生の課外活動やスポーツ活動などに活用する。衝撃的な発表が、香川県庁でなされた。
同大によれば、現在の香川キャンパスには『香川薬学部』、『保健福祉部』、『理工学部』、『文学部』の4学部9学科と3大学院があり、在学生は1,309人。定員に満たない学科もある中、JR高松駅の隣への移転で利便性が高まり、県内の中西讃や瀬戸内海の島しょ部、岡山、四国3県からの学生の獲得が期待される。 新キャンパスは、将来的な定員増を見込み、学生や教職員ら計3千人の受入が可能な規模を想定している。建設地はJR高松駅の北西側に隣接する旧スポーツジムが賃貸で建設運営していた跡地で、6350㎡(1,920坪)ある。JR四国から購入する。図書館や体育館、音楽ホール、食堂なども建物内に整備する計画。着工は、早ければ2021年末を見通している。総事業費は、非公開。 移転には功罪が孕む。さぬき市志度町には、『徳島文理大香川校』生徒のために多くの賃貸住宅が林立している。これらが全く要らなくなる。私の知人も、自らも建設しまた何棟かの設計もした。地元の不動産業者も、悲鳴を上げている。開学直後は全くアパート・マンションがなく、学校関係者は高松市の15キロも離れた弊社まで情報を取りに来たほどでした。 「駅前キャンパスは、大学生き残り策のトレンド」と思われる。東京でも郊外へ出たキャンパスが都心回帰の方向にある。徳島文理大香川校の高松駅への移転に、県や高松市、周辺の飲食店は地域活性化や若者の県内定着推進につながると歓迎している。立場によって、悲喜こもごもの様子が想像される。 JR高松駅周辺は、県内一番の交通の結節点であります。ここへの集中が、これでさらに進む。JR高松駅横には、まずスーパマーケット跡地に商業施設が建設され、次に徳島文理大香川校が出来る。それと並行してサンポートエリアに『県立アリーナ(体育館)』が立ち並ぶと、駅付近の賑わいは否応なく高まる。 実に上手い舞台づくりだが、これを仕掛けたのは残念ながら不動産業者にあらず、『百十四銀行』だと聞いている。銀行とすれば『建築費』だけでも数百億円の融資、これぞまさに地元金融機関の仕事と言えよう。三方よしのサクセスストーリだ。残された志度キャンパスの活用策はこれから考えて、ここも有効利用して貰いたい。 宅地建物取引士の10月試験も、ここが使えたら実に有り難い。 |