17日のネット報道では、三峡ダム、昨日から丸一日以上、放水中だということです。昨日は、排水口は1つだけ開放されていましたが、今朝から2つ開放して放水しています。にもかかわらず、水位は上昇している。ダムに流れ込む入水量が毎秒50,000㎥を超えてきており、出水量の毎秒32,000㎥を超過しているためです。
毎秒30,000㎥の水を24時間放水しつづけると、26億㎥になります。琵琶湖の水量が275億㎥ですので、琵琶湖の10%の水が昨日から放水されていることになります。入水超過のため、じりじりと水位が上昇しています。ダムの計画高水位は175mのため、まだ20m弱の余裕がありますが、このペースが続くと、概ね5日~6日後には175mに達します。
入水超過が6日間も続くかは分かりませんが、単純計算ではそうなります(ダムそのものの高さは185mです)。三峡ダム近くの重慶市周辺でも、大雨です。この状況を受けて、中国政府は、「長江2020年第2号洪水」を宣言しました。また、重慶から1,500キロも離れている蘇州市の太湖周辺でも、水位が上昇していて完全に水没するとの報道がありました。
万一三峡ダムが崩壊すると、上海まで悪影響が出ると考えられています。そればかりではなく、日本も甚大な被害を被ると予想されています。日本でもコロナ禍の中で、豪雨災害に悩まされていますが、中国ではそのスケールが違います。対岸の火事と笑うことなかれ、米中貿易戦争(もはや米中対立)も佳境に入り、双方から何が飛び出すか分からない瀬戸際まで来ているように心配します。
ロイター10日発・中国の長江(揚子江)流域で豪雨による土砂崩れが発生、過去2日間に流域の4都市が最高度の氾濫警報を出した。 最も危険な状況であることを示す「赤色警報」を出したのは湖北省と江西省の各2都市。土砂崩れなどでこれまでに約140人が死亡または行方不明となっており、中国中央テレビは10日、一連の被害による経済損失は600億元(86億ドル)を超えると伝えた。