2019,11,17, Sunday
来年(2020年)4月1日から、企業や消費者の契約ルールが大きく変わる。4月以降に結ぶ契約については、保証人になったり、住宅の賃貸や商品・サービスを売買する時は、一層の注意が必要となります。大きく変わるのは、保証人の立場です。「保証」は支払義務がある人が弁済しない場合に、代わって履行する義務を指します。
アパートなど、不動産を借りる場合に必要な連帯保証人の扱いが代わる。「保証人」は、先に債務者に言えと主張できるのに対して、連帯保証人は、債権者が当事者でも連帯保証人へも後先関係なく催促できる。また契約時に、将来の債務額が特定されないモノを「根保証」という。 例えば、今は子どもが賃貸物件を借りる時に親が賃料を保証する場合などの「根保証」では、火災時等に親(連帯保証人)が弁済する債務額の上限は定めない、無限責任となっている。ただし子どもが未成年である場合には、多くは親が賃借人となりますが、成人した子どもとか、親が契約を許した場合などは、子どもが賃借人となり、親が連帯保証人となっています。来年4月からは保証人を保護するために、上限額(限度額)がない根保証の契約は無効となるのです。 仮に家賃5万円としたら、6ヶ月分の30万円であれば保証人になるが、1年分の60万円であれば、保証人にならないといった選択肢が出来る。また火災などの発生に備えて、「家賃+建物1,000万円の保証」となるのかもしれません。実務では、親等の個人保証はやめて、機関保証になると思われます。民法改正を見越して、すでに機関保証が増えています。 また、個人と事業者の契約をまとめた「約款」も明確にする。これまでは民法に約款の規定はなく、「約款は契約でない」と係争になることもあった。改正後は、「約款が契約内容になる」と明示してあれば約款への同意が法的に契約になる。しかし信義則に反して、消費者の利益を一方的に害するような条項は無効となる。これは変更がない。 さらにお金の貸し借りで事前に金利を決めなかった場合は、「法定金利」が適用される。これまでは民法では年5%で、市中金利と乖離しすぎていたため3%となります。今後は3年に一度見直して改訂する。3.5%とか小数点以下は付けず、上がれば4%で下がれば2%という具合に変わる。勿論当事者間で金利を決めれば、13.6%までであれば有効となる。 最後に時効について、少し触れておきます。個人や事業者が、未払金を請求できる期間は、「請求する側が権利を行使出来ると知った時から5年」に統一する。これまでは、個人間の貸借は10年間、飲食店のツケは1年間、弁護士報酬は2年間、医師の診療報酬は3年だった。過払い金がある人は、「払いすぎていたと知った時」から5年間は請求できる。日経新聞11月17日の記事を、参考にしました。明日も②を、少し記載します。 |