2019,08,14, Wednesday
これまで政府の就職支援策は、ことごとく失敗に終わり、ばらまき感だけが残った印象が強い。現在30代半ばから40代半ばの人たちは、他の世代に比べ国内外の厳しい経済情勢の影響で、不遇な労働状況に置かれたとみて、この世代だけを対象とした異例の対策を講じると日経新聞が報じている。
今度の支援の柱となるのは、成功報酬型の民間委託研修。専門知識やスキルを教える民間教育機関が、非正規雇用者に半年程度の訓練や職業実習をした場合、国から経費の一部として最大20万円を出す。さらに受講者が訓練などを始めてから8ヶ月以内に正規雇用の職に就き、半年間きちんと働けば追加で最大40万円を支給する。半年間で、何が分かる。せめて1年、石の上なら3年は様子見期間が必要だ。 加えて、短期資格取得コースも新設する。厚生労働省が民間の業界団体に委託し、希望者に1ヶ月程度の集中訓練をする。建設なら小型クレーンやフォークリフト。運輸なら、運行管理者や整備管理者などの資格を想定している。業界団体は、資格を取得した人に現場見学や実習の場を提供する。自立支援相談機関やひきこもり地域支援センター、ハローワークなどが連携して長い期間、職に就けていない人の社会参加も促す。 就職氷河期とは、バブル崩壊後の新規学卒採用が特に厳しかった1993~2004年頃を指す。長く続いた景気の冷え込みを「氷河」に例える。この時期に学校(高校・大学・専門学校等)を卒業した世代をいわゆる就職氷河期世代と呼んでいる。「団塊の世代」とか「団塊ジュニア世代」と同じ様な括り方である。団塊の世代は、堺屋太一さんが名付け親だった。 就職氷河期世代は昨年時点で35歳~44歳の人で、人口規模は1689万人、生産年齢人口(15~64歳)に占める割合は22.4%。00年前後には学校を卒業しても就職できなかった人が大学卒や高校卒を含めて10万人を超えた。バブル崩壊に伴う景気低迷で、多くの企業が人件費を抑えようと新規採用を減らした。今の現状は、その当時十分予想されたことであった。 企業は短期で景気動向を見る傾向が多いが、国は企業より長いスパンで景気動向施策をとるべきだ。確かに90年代後半には、日本の実害は少なかったがアジア通貨危機、不良債権処理の失敗による大手金融機関の経営破綻などが相次いだ。また00年代初頭には米国のITバブル崩壊に伴って、日本の景気も後退した。2010年ごろまで経済の停滞が続いた期間を指して「失われた20年」とも呼ばれる。 政府としては今、遅きに失したと言われながらも、何か手を打たざるを得ない。特に就職氷河期世代は、企業にとっても働きガシラ層で、ごっそり無くなると、退職期にもおおきく影響が出る。また購買層としても、住宅等、大きな買い物をするかしないかの、また社会保障にしても大切な人口層であります。うまく機能することを、大いに期待しています。 今日14日は、超大型台風10号の接近で「高松まつり」も「阿波おどり」も中止になりました。高松は13日の8,000発花火「どんどん高松」も中止です。ある意味2019年の夏の、象徴かも知れません。 |