2019,03,29, Friday
JR四国の半井真司社長は28日、高松駅(高松市浜ノ町)周辺の開発事業に乗り出す方針を表明した。駅北隣の所有地に商業施設を含む駅ビルを新設し、四国の玄関口の装いを一新する計画。インバウンド(訪日外国人客)ら、好調な観光需要を取り込み、収益の拡大を目指す考えのようだ。
開発用地は現駅北隣の約2500㎡(750坪)で、現在はスーパマーケット「エースワン」(高知市)が高松店を展開している。「エースワン」は坂出店を閉店していて、高松店もどうなるかと危ぶまれていた。JR四国側も、高松サンポートへの新県営体育館(アリーナ)の建設事業が進んでいることも踏まえて、「エースワン」とは契約更新をせず、観光客ニーズにも応えられる商業施設が入った駅ビル建設の有効性がより高いと判断したのだろう。 JR四国は人口減少などでこれからも鉄道収入の落ち込みが見込まれることから、分譲マンション(高松市常磐街)や宿泊特化型ホテル(クレメントイン)の建設など、鉄道以外の事業を強化している。意外にも将来四国新幹線が開通すると、特急が廃止され、ローカル便が動きやすくなって、鉄道収益が向上するという試算もある。 しかし現在のJR四国の一日乗降客は、東京山手線の「五反田駅」のそれと同じ程度で、隣の品川駅などにははるかに及ばない。ローカル便数を増やし、乗降客を増やす努力が求められる。しかし現況は、特急列車のダイヤが最優先され、ローカル便は待ち時間が多くなり、利便性が悪い。そのために、田舎は車社会にならざるを得ないのだが、便利になると鉄道の復権もあると思う。 しかしそれは新幹線整備後早くて10年先の話しで、たちまちのJR四国の収益改善は、鉄道外収入の増収に頼らざるを得ない。鉄道収益の黒字は、瀬戸大橋線だけというのも驚きだ。コトデンも新駅を作ることで、乗降客を増やそうとしている。JR四国も、新駅構想があって然り。鉄道と鉄道外収入は、クルマの両輪のような関係でなくては、うまく機能しない。 高松駅前の商業ビルは、非常に楽しみですね。JR四国は19年度にも設計に着手し、21年度の完成を目指して準備を進めるという。スーパマーケットがなくなることで、周辺マンション居住者も不便になると思うが、それ以上に、JR四国利用者の不便はないのだろうか。建物の中には、スーパマーケットもほしい。 恐らく事務所スペースのテナントが多くなることでしょうが、職住近接が、田舎暮らしの最もありがたいところであります。 |