相続アドバイザー養成講座を開催している、NPO法人相続アドバイザー協議会に所属している、司法書士法人ABC代表椎葉基史氏の体験講座でした。今では数多くの「相続講座」がありますが、この講座は、第45期が、大阪で3年ぶりに集中講座が予定されています。私は内部事情も聞いていて、昔のような大盛況とは言えない状況があることも聞いています。
通常は毎週の一定日毎に2時間講座が開催されて、首都圏在住者用の講座が高田馬場の教室で組まれています。2時間の講座が、20コマ用意されています。私もその昔、若い頃(第7期生)に高田馬場の教室に通いました。その頃は燃えていて、恐らく「しょうもない質問」をしていて、迷惑がられていたと反省しています。
今日は、相続寺子屋四国の定例会として、四国中央市で開催されました。四国中央市と、高松市で順番に開催されています。講師の司法書士法人ABC代表椎葉基史氏は、日本中でも数少ない、相続の「限定承認」を専門に扱う司法書士として、私も早くからマークしています。釈迦に説法ですが、相続には、一般的な「単純承認」と多重債務者などが使う「相続放棄」、そしてほとんど使われていない「限定承認」の3つがあります。
私も偉そうに、不動産業者の「相続講座」をNHK講座などでしていたことがあります。相続は、通常プラスの財産の譲り渡しと考えられていて、資産家の家族が大騒ぎのようなイメージがありますが、相続財産には、マイナスの財産つまり借金や債務保証などの「連帯保証人」などの見えにくい債務もあります。司法書士法人ABC代表椎葉基史氏は大阪で、これを専門に扱う全国でも希有な司法書士です。
私も過去に、内藤雄(故人)さんの講座を聴いて、驚いたことがありました。勿論、相続アドバイザー養成講座内での一コマでした。内藤雄さんは、宅建業者でしたが同時に「街金業者」㈱三商の代表でした。金を貸す立場から、借りた人らの苦悩を赤裸々に語る、名物講師でした。相続アドバイザー協議会の野口賢次副理事長の「心の相続」と、内藤雄さんの「借金講座」は、涙無くして聞けない講義でした。
その内藤雄さんの講座を引き継いだ、和田政彦税理士の話「借金を残した人の相続、よくある実務相談Q&A」も象徴的(2004年5月)でしたが、その時の私の印象は、借金が多い人は「相続放棄」するというテクニックしか、記憶に残っていません。借金を残して亡くなってしまった場合の極意が「放棄」と迄書かれています。
相続方法には3つの選択が在りながら、「限定承認」は、プラスの財産の中からマイナス財産を支払、残れば相続できるという複雑なものです。一番の問題は、その相続開始時の「時価価格」の算定です。これが間違いとなれば、プラスマイナスの計算に、大きな誤差が出ます。だから誰もやりたがらないのです。借金があれば、「相続放棄」と安易な方法を私も奨めていました。
でもこれでは、自宅などの生活基盤も失います。本当の親切と相続知識を誇るなら、「限定承認」の実務家と組むことです。ここで私の言いたいのは、何が何でも「限定承認」だというのではなく、一般的な「単純承認」と多重債務者用の「相続放棄」と、生活基盤がもしかしたら残るという「限定承認」の3つが相続時にはあるということを主張したいのです。
しかしこんな便利な方法も、相続開始(通常死亡)から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述しなければなりません。通常49日が喪に服す日とされていて、相続の話しなどはそのあとです。これだと間にあいません。それも手があります。困ったら相談下さい。何とか出来るかも知れません。渡る世間は、鬼だけではありません。