人権問題として一般社団法人香川宅建も開催を応援し、講演参加券を購入してわれわれ支部代表者に参加を呼びかける。幸か不幸か分からないのですが私もその内の1枚を得て、本日の講演会参加となったのであります。29日(水)10時から県民ホールで開催されましたが、部落解放同盟香川県連合会執行委員長・北山武氏の主催者挨拶文に、私の知らない『全国水平社』やその中に記載された『融和運動』があり、これをフリー百科事典ウイキペディアで検索してみました。
全国水平社(ぜんこくすいへいしゃ)は、1922年(大正11年)3月、日本で2番目に結成された全国規模の融和団体で、第二次世界大戦以前の日本の部落解放運動団体である。略称は全水(ぜんすい)もしくは単に水平社。第二次世界大戦後に発足した、部落解放全国委員会および部落解放同盟の前身である。昨年3月に100年を迎えた。
明治維新の結果、明治天皇によって煥発された解放令により、穢多・非人などの被差別部落民は形の上では封建的な身分関係から解放されたが、実際にはさまざまな差別が残っていた。そのため、多くの部落民は文明開化・殖産興業・富国強兵が進行していく中で貧困に苦しんでいく。これを解決するため融和運動が提唱され、大正3年(1914年)6月7日、板垣退助、大江卓らによって日本最初の全国規模の融和団体となる「帝国公道会」が一君万民・四民平等の理念のもと設立された。
これは「日本人は悉く平等に天皇陛下の赤子である」との思想のもと、差別の原因が部落の劣悪な環境や教育水準にあるとし、富裕層の力を借りての部落の経済的向上を目指し、また部落民の意識を高め部落外の人々の同情と理解を求めることで差別を無くそうとするものであった。
このように浅学非才な私でも簡単にインターネットを介して情報を得ることが出来る反面、インターネットを悪用した新たな差別事件も次々と発生していると北山武氏は主催者あいさつに書いている。私の知る部落差別の人権問題から、昨今は、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い生じた差別や人権侵害が、またロシアのウクライナ侵攻から、イスラエルのパレスチナのガザ地区への報復攻撃で、多くの民間人が犠牲になり、罪のない子どもたちの命が奪われている。『戦争は最大の人権侵害』、北山氏の言葉が重い。
このことに関して記念講演第1講話『ウクライナ戦争と日本の安全保障』で、徳島大学政治学・国際関係論の饗場和彦先生が講演しています。氏はロシアによる侵略は、ウラジーミル・プーチン大統領の大ロシア主義、ソ連崩壊のルサンチマン、米国不信があるにしても明白な国際法違反と糾弾しながら、その原因の一端はウクライナにもある。それを今の国連機能ではどうしょうもできない。イスラエル・ハマス紛争でも露呈している。
このことが、日本の取るべき安全保障政策にどのように関係するのか。サブタイトルの『ああなったら終わり』なので『武力のみならず外交の総動員』が、的を射ているのか。一定の武力の強化、一定の抑止力の確保。しかし抑止は、必ず破れることがある。だから武力以外の方途が絶対的に必要。いかに米中の衝突を避けさせるか。日本の課題であります。