2023,03,21, Tuesday
岸田文雄首相は21日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を電撃訪問した。首相が議長を務める5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)を前に対応を協議し、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くとの決意を確認する。日本の首相が紛争地に入るのは、極めて異例だ。先の林外相の国際会議欠席が、国会(国内)の都合として世界からの批判を浴びたところだった。
予算国会が開会中だが、世界は大きく動いている。今はその状況も、すぐさま国民が知る。予算も大事だが、目処はついている。5月の段取りを考えたら、ウクライナへ行くのがベストだが、先に触れたように日本の首相が紛争地に入るのは、これまでになかったことだ。ロシアが認めたルートがあるのかもしれないが、戦時下の現地では何が起こるか予想できない。「危険だからやめとけ」と、万人が言うだろう。 安全確保を理由に事前公表をせず、訪問先のインドから帰国予定を変更し、ポーランド経由で航空機や鉄道を乗り継ぎウクライナ入りし、21日正午過ぎ(日本時間同日夜)首都キーウの駅に着いた。2月のバイデン米大統領など日本以外のG7首脳は既にキーウを訪れていて、今年1月のウクライナ政府から訪問の招請を受け、岸田文雄首相もサミット前の訪問を目指していた。 ウクライナ侵攻は、5月サミットの主要テーマになる。岸田文雄首相は、ゼレンスキー大統領との会談結果も踏まえて議長として議論を主導し、G7の結束を国際社会に示したい考えだろう。準備9割と言われる国際会議、岸田文雄首相としてはゼレンスキー大統領との面談というピースは、外せない一枚ではなかったか。危険を顧みず、岸田文雄首相はやり遂げた。 一方国会では、『ねつ造』が問題化している。高市早苗大臣は、『ねつ造』でなければ大臣を辞して国会議員もやめると大見得を切っている。常識的に考えて、官僚が公文書をねつ造する筈がない。記録を消すことがあっても、加えることは難しい。至難の業と言わざるを得ない。岸田文雄首相のウクライナ訪問が、絶体絶命の政敵高市早苗大臣の窮地を救うのか。 |