画廊として絵を展示しながら、それを背景として、各種楽器の演奏会をしまくっている珈笛画廊・ほのほ。人脈なのか、想像もできないミュージシャンが集まっている。大型箱でのコンサートが新型コロナウィルスの感染拡大に伴いほとんど中止になっているためか、珈笛画廊・ほのほのような小型箱での演奏会が、ここ1年弱頻繁に行われるようになったと感じています。
今日のコンサートは、何と尺八・坂田梁山とピアノ・近藤陽悟のふたりによる演奏会。尺八という楽器が、このようにはれやかな音階を奏でるとは想像だにしていなかった私は、本当に驚きました。最近午後のある瞬間、ウトウトしてしまうことがあるのですが、その心配は今日の演奏会では全くなく、知らなかった音楽の別のステージを垣間見たようで、嬉しかったですね。
尺八は知る人ぞ知る虚無僧が、編み笠を被りながら辻立ちで一節を拭いて仏教で言う『布施』をもらって次の辻へ移動する。そんな虚無僧の大切な道具が尺八。現在「尺八」と呼ばれているものは「普化尺八(ふけしゃくはち)」であり16世紀末の日本で開発され、現在までその命脈を保っている。名称は、標準の管長が一尺八寸であったことに由来し、有力な説は、『旧唐書』列伝の「呂才伝」の記事によるもので、7世紀はじめの唐の楽人である呂才が、筒音を十二律にあわせた縦笛を作った際、中国の標準音の黄鐘(日本の十二律では壱越:西洋音階のD)の音を出すものが一尺八寸であったためと伝えられている。
ただし時代と国によって「尺」の単位の実際の長さが違うので注意が必要であり、日本の江戸時代の普化尺八では約54.5 cmである。坂田氏も、数本の尺八を用意し、演奏曲に合わせて使い分けていた。長いのは低音を、短いのは高音を出すと素人には見えるのですが、詳細は分かりません。氏の語りの中で、YouTubeにある玉置浩二さんの『いかないで』香港でのオーケストラ演奏を背景とした玉置氏の歌が良いと言いながら、『いかないで』を演奏していました。
帰って早速YouTubeで、玉置浩二さんの『いかないで』を探してみました。なるほどYouTubeをこのように利用する手もあるのかと、学習しました。ピアノは進藤陽悟さん、彼は以前ここで演奏を聴いたことがあります。ピアノですから、どんな楽器とも合奏ができます。彼の手の指が大きく開くと聞いて、私のと比べてみました。私はピアノとも縁がないようです。2人が最近出したというCD3,000円を買ってみました。サイン入りですが、ジャケットを保存するという習慣は私にはありません。
何だかこの世界も、変わって来ているように、既に変化が始まり次のステージへ駆け抜けているのかもしれませんが、変化を楽しむことが大事だと思いました。貴重な機会を、ありがとうございます。