米メディアによると8日、米俳優ライアン・オニール氏が死去、82歳だったと報じられている。私は映画通でも評論家でもありませんが、大ヒット映画『ある愛の詩』(1970年今から53年前)は、私も数度観た私の中の名画の一つです。高校大学と多感な頃は男女間の映画として、老いては父親と息子の生き様を提起した作品として私は観ていました。
大ヒットのために1978年に、続編の『続ある愛の詩』も出来ています。原作は共に『エリック・シーガル』、第1作のタイトルは『LOVE STORY』男優はライアン・オニール氏、女優はアリ・マッグロー、のちに1973年から1978年までの間、スティーブ・マックイーン氏と結婚していました。第2作『Oliver’s Story』は妻役のアリ・マッグローが先立ち、そのあとだから女優がキャンディス・バーゲンに替わっています。
私はやはり第1作の印象が強く、冒頭で書いたように父親と息子の生き様、考え方や生き様が違うが故の葛藤を描いた部分が印象的で、ライアン・オニール氏の死去の報道で思いだすのです。役どころですが、彼はオリバー・パレット四世で大富豪の息子、彼女は女子大音楽部生・ジェニー・カヴァレリ(アリ・マッグロー)で、田舎の貧しいパン屋さんの娘さん。彼の父親は、当然のように結婚に反対します。
それのみか彼の就職についても、口を挟んできます。父親にしてみればオリバー家の御曹司、後継者としての立場を期待しますが、息子は父親との会話さえうっとうしいと感じ、『単語会話』例えば「働く」「結婚する」「アパート暮らし」などしか言わず、妻の大病で治療費が必要になりその時、仕方なく父親に治療費を無心に行きますが、妻の治療費とは言わず、父親は遊興費と勘違いし息子の愚行を非難します。
父親にしてみれば『大病』であることを知らせてくれたら『大病院』での治療が出来たのにと悔やむのだが、息子は、父親の庇護のかけらも求めなかった。治療費の無心を除けば。このあたりのやり取りが絶妙で、息子の苦悩、父親の無念が上手く描かれていました。「愛とは決して後悔しないこと」が名台詞になりましたが、父親役のレイ・ミランドの苦しみが私には印象的でした。
父と子、なかなか理解されにくい人間関係は今も昔も、キリスト教も仏教も変わらないようです。