過日自動車ディーラで、TVコマーシャルを始めている歩道を走れるスクーター『WHILL Model S』を見た。高齢者がこれから乗る歩道を走れる電動スクーターと言ったら、おわかり頂けるだろうか。時速6km以下で走行する、近距離モビリティであります。価格が25万~30万円で、本人は勿論家族のプレゼントとしても、相談して割り勘もあり得る価格帯。
私の周辺でも、見かける機会が多くなってきている。勿論この機種かどうかは定かではないが、『歩道を走る電動スクーター』という定義の乗り物が増えている。私も来年は使っているかもしれないが、この台数が増えれば、地方都市の歩道がない車道では、大混雑が心配される。かと言ってどうするかの妙案は持ち合わせていないが、その分心配が募る。
高齢者の交通事故が増えて、自動車運転免許を返納する機運が広がっているが、一部の大都市を除いて、マイカーのない生活は大変だ。一番の大変は、生活用品の買い回りだと思いますが、病院へ行くのにもタクシーとなると気が重い。年金暮らしは定期収入で有り難いのだが、支出は出来る限り抑えたい。少しでも来月のために貯蓄に回したいというのが大半の考えだろう。
私の見たパンフレットは、万が一の時でも安心な『WHILLのサービス』で、任意保険のようなモノか。一層安全性を増し、心配を軽減するツールの提供は賛成だが、狭い公道を走るという場面の解消には繋がらない。今の利用は絶対数が少なく、利用者が朝夕の混雑時を避けて走行している。また生活幹線道の利用も、あまり見かけない。俗に言う『抜け道』を走っている。
多少の工夫で、今のところ大きな問題化しているとは聞いていないが、顕在化する前に何らかの対策の議論は必要だと思います。公共交通機関として、高松周辺にはコトデンがあります。高松市も市内に数カ所の拠点を設け、そこを核として交通網を構築しようとしている。大西秀人高松市長の頭の中には、LRT(次世代型路面電車)構想があるようだが、まったく新規に路面電車を走らすのは、コスパーが悪すぎる。
成功例として宇都宮市のLRT(次世代型路面電車)がもてはやされているが、宇都宮のLRTは利用者に通勤者が加わり、早くも投資対効果が見合い始めた。翻って高松市内の中央通り沿いにLRTを通して高松空港まで繋げても、投資対効果はそうは見込めず、コトデンとの路線被りもあって効果的とは言えまい。
どうするか、困った困ったと手をこまねいて居ても、時間は容赦なく過ぎてしまう。一日も早く協議会を立ち上げることだ。もう既にあるのなら、広く市民に公開し多くの意見を聞くことだろう。蛇足だが高松市においてもこの類いの協議会は、中央の学者先生を座長にして構成員も有識者に限定し、土地利用者の代表の不動産業者を排除し、建設業界からも委員を求めない。市民代表の議員さえも排除して構成し、決定する。
国の省庁の行政マンの真似をしてどうするのですか。彼らは最大公約数の意見を求めるように手配します。市の行政は市民なしでは、どんなに立派なシステムが出来ても、意味がないことをまず大前提で考え、泥臭い市制をお願いしたい。頭のいい人ばかりが市職では、偏ったいびつな高松になってしまう。