最近アウトドアー関連用品に、目が行くようになっています。小中学生の頃、友と戸外で食事をしたり、簡易テントで寝泊まりしたことがありました。今のように携行具が小型軽量化されてなくて、徒歩や自転車で行くキャンプは、大変でした。それでも楽しかった。何人かで行くのが楽しみで、将来の夢などを語っていました。『ひとりキャンプ』の醍醐味は、この年でも理解できません。ひとそれぞれですね。
そんな折、グッドデザイン賞(日本デザイン振興会主催)の2022年度受賞結果が(2022年10月)7日発表され、愛媛県内ではタオルから生まれた着火剤「今治のホコリ」=写真=など3件が選ばれた。という愛媛新聞の記事を見つけました。もう半年以上も前の報道ですが、私はここに趣味の喜びと企業経営の芽を見いだします。
西染工(今治市)の「今治のホコリ」は染色工程後の乾燥機内で出たさまざまな色の廃棄物「ほこり」を、アウトドアーで使う着火剤として生まれ変わらせた。地場産業の廃棄物でサステナブルな商品をつくり、見て楽しめる使いやすい製品となっていることなどが評価された。と新聞には書かれていますが、SDGs(持続可能な開発目標)からもナイス商品ですね。これまでの廃棄物が、商品として稼いでくれる。
キャンパーからすれば、登山でのキャンプ荷物は限りなく軽量化したい。しかし夏場でも、食事は温かいモノを食したい。バーベーキュにしても、火をおこす作業が難題です。この「今治のホコリ」を着火剤として使うアイディアは、軽量なおかつ確実性から抜群ですね。正確にはまず着火機である『マッチ』や『ライター』『火打ち石』から『種火』を得て、それを新聞紙やティシューペーパに移しますが、ここで先の「今治のホコリ」が登場します。
タオル製造の過程で出る『ゴミやほこり』の『ほこり』を使います。着火しやすく、すぐに燃え広がります。どうしてもタオル製造過程で出るモノで、防ぐことが出来ない厄介者でした。高速回転のタオル製造機周辺では、静電気に引き寄せられたほこりが大量に出ます。それを商品として販売が出来て、1個が300円程度での販売ですからそうは儲かりませんが、捨てるのにも手間暇が掛かっていました。
漁港でも捨てられていた『珍魚』が、既存外の販売ルートを構築して消費者のところまで届くようになって貢献していますが、捨てるのにも多額の費用が掛かる時代です。捨てるモノを商品にする発想こそが、経営の革新につながっています。「今治のホコリ」は現在はプラスチックの透明感をだした容器で販売されていますが、内容が認知されたら紙容器にして、そのまま火に投入したら、持ち帰ることもなくなる。一石二鳥商品ですね。