讃岐が生んだとされる弘法大師空海の生誕地、総本山善通寺で15日、『弘法大師空海御誕生1250年祭』が閉幕した。6月15日は空海の誕生日、約2ヶ月間続いた法会(ほうえ)を締めくくる御誕生会(たんじょうえ)が営まれ、僧侶や信徒らは結願を祝うと共に、空海の教えに思いをはせた。同祭は4月23日から、誕生日まで54日間開催された。
高松栗林ライオンズクラブの結成60周年記念式典のために遠路来高された友好クラブの面々は、御誕生会の準備でごった返すここ総本山善通寺へ来た。飾り付けはまだ終わってはいなかったが、雰囲気は十分味わえたと思う。そもそも善通寺は、真言宗の寺ではありますが、四国遍路が世界遺産に登録なるかというここでは、宗教色はさほど感じない。
地元民としては、真言宗の寺ではありますが、旧所名跡の類いのように考えています。寺では54日間、日替わりで真言宗寺院の僧侶らが法会を営んだほか、秘仏本尊・瞬目(めひき)大師の特別開帳や五重塔公開、同祭実行委員会による関連イベントもあり、県内外から大勢の人が訪れた。1250年祭の今年、年の半分で終えるのは勿体ない。寺も計画をしているようだが、秋にも催事を期待する。
一方和歌山県高野町では、弘法大師空海の誕生日を祝う『青葉まつり』が15日、雨が降りしきる中で開かれた。一部中止になったものの、総本山金剛峯寺の一帯は大勢の参拝客や観光客で賑わった。新型コロナウィルス禍の影響で昨年は規模を縮小、その前の2年間は中止しており、通常開催は4年ぶり。高野山真言宗最大のイベントで、若葉の薫る季節に行うことから戦後『青葉まつり』になったという。
メインのパレード『花御堂渡御(はなみどうとぎょ)』は、正午に奥の院前を出発。雨が降りしきる中、稚児大師像を載せた『花御堂』と呼ばれる山車や、稚児大師役の男児と『青葉娘』4人が乗る山車が進み、大師音頭を踊るグループなど総勢約1500人が金剛峯寺前までの大通り約1キロを練り歩いた。いまどき1500人の人を集めるのは、凄いとしか言いようがない。
善通寺は総本山善通寺と少林寺拳法と自衛隊で、高野山も、金剛峯寺で経済が成り立っている感がする。四国遍路88カ寺も、先代の恩恵が今に続いている。ともに今の繁栄に感謝し、参拝者に寄り添ってもらいたい。