研修修了式が、13時半から綾川町の『オイスカ四国研修センター(綾川町陶5179-1TEL087-876-3333)で、香川県知事公室長・尾崎英司氏、同総務部知事公室国際課・菊池達治課長らを来賓に迎え、厳粛に行われました。新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、人数を絞っての修了式でした。ある意味こういう厳粛なイベントを、会員の皆さまへ披露できたらより一層の協力体制が出来ると感じました。
式では今年の『地域開発コース(10カ月)』研修生5人が、東京本部オイスカ人材育成担当部長(前四国研修センター長)・萬代保男氏より、修了証書を授与されました。激励の言葉は、泉雅文同四国支部会長から、このコロナ禍の中でジョマリ(フィリピン)は今月15日、パオラ(メキシコ)は同18日に帰国できますが、仲間3人はこの先いつ出国できるか今のところ不明という状況にあります。
同じように次の研修生の入国も、今のところ定かではありません。オイスカは『技能実習生』とは本質的に違うのですが、入出国手続きに関しては外国人という括りで、同じような扱いをされています。オイスカは国内4研修センターからそれぞれの国の大使館を通じて、帰国要請を出していますが先日帰国できた『マテ』でも、3度目の申請でエアーチケットが手に入りました。
研修生はその期間中、各方面へ出向いて交流を持ちますが、今年はコロナ禍のなか、それも叶わず公式行事も中止で、日本語研修では少し見劣りがしました。それでも県下唯一の公立中高一貫教育を取り入れている『高松北中高』では、行ったり来たりの交流が出来、その熱が高じて生徒校長先生を含む教職員ら33名が、東日本大震災で海岸林が崩壊した宮城県名取海岸林植林現場まで、足を運んで下さいました。
オイスカは被災後すぐから約10年間で、100ヘクタールの広大な土地(サッカーグランド140面相当)にマツの苗37万本をタネから育て、1本1本手で植える前代未聞のプロジェクトをやり遂げました。政府からの金は一切貰わず、民間募金だけで達成しました。プロジェクトの推進に際し、理屈では語れない不思議が起こったのです。私もほんの少しだけ、募金に協力しました。
肝心なときに、大切な役割を果たす人がなぜか現れた。プロジェクトにかかわった多くの人たちの、情熱や意地、忍耐、共感、信頼といった感情と、次第にカタチを成していく周到な計画や理念とが一体になりプロジェクトは10年という節目を迎え、『松がつなぐあした』震災10年海岸林再生の記録が明日12月9日(水)愛育出版から上梓されます。
書いたのは、初手からプロジェクトを見ていた元日本経済新聞社論説委員・小林省太氏。著者への印税なし、オイスカへの寄付システムなし。出来るだけ多くの人に10年の記録を伝えようと、安く仕上げています。月刊OISCAには、これまで小林省太氏が書き綴った記録がありますが、それをまとめて一冊の記録集として発行されています。新会員見込み者へプレゼントして、オイスカを知って貰うツールとします。