世界ランキング8位の日本が13日、横浜市の日産スタジアムで行われた1次リーグA組最終戦で、同9位のスコットランドを28-21で破り、A組4連勝で文句なく、9度目の出場ではじめて8強入りするという歴史的快挙を達成した。日本チームは強くなったなと感じていたが、一度も勝った経験の無いスコットランドは、大きな壁のように感じていた。
日本は勝利の勝ち点4に加えて、4トライ以上でもらえるボーナス点を加えて勝ち点5、これまでの合計で勝ち点19となり、A組を1位通過。20日に東京・味の素スタジアムで行われる準々決勝で、前回2015年大会で大金星と言われた「南アフリカ」と対戦する。南アフリカは、B組2位だが、日本戦では前回の雪辱を期して牙をむいて挑んで来るだろう。
今回の日本チームは、リーチ・マイケルキャプテンを中心に、本当にまとまったチームだと思う。巨漢に果敢にタックルするが、1対1では流石に敵わない。すると二人、場合によっては三人で倒しにかかり、相手ボールまで奪うシーンが続出。タックルの後もすぐに起き上がり、次の攻撃に備える。傷んで、休んでいる選手はいない。
アジア初開催の日本大会で、1987年第1回大会から全9大会に出場している日本は、悲願のベスト8入りをした。日本が、ついに厚い壁を打ち破った。日本ラグビーの発祥から120年、世界の誰もが認める4連勝で、敗北の歴史に終止符を打った。日本チームは、事前の準備が完璧で、相手を常に圧倒した。自信にあふれたプレーで、欧州の競合に堂々と戦い、そして勝利した。
とにかく日本チームは、攻守にスピードがあった。オフロードパスと呼ばれる、自身倒れぎわに相手にボールを託すようなパスは、選手間の僅かな距離を繋ぐ。まさに、「流れるような」と表現するに値するような華麗な連携。特に前半25分には、プロップ(スクラム最前線で頑張るフォワード)の稲垣啓太選手が中央に飛び込んだシーンは涙がでた。
喜んでばかりはいられない。次の試合に勝たないと、これまでの日本の戦いがホームでの付録といわれかねない。桜満開、ベスト4は何とかなりそうな勢いだ。特に良いのは、スクラムの8人。重量フォワードのスコットランドはじめ、体重差で負けている相手にも押し勝っている。それから忘れてはならない存在は、スタンドオフの田村選手。4試合合計48得点で世界一。彼は明治大の卒業生だ。