2019,02,16, Saturday
地元第一地銀の百十四銀行が、紙通帳の代わりにスマートフォンのアプリ「114通帳アプリ」で、口座残高や取引明細を確認できるサービスを開始した。営業戦略部へ問い合わせてみると、スマートフォンのアプリを自分でダウンロードして、そこからシステムに入り、個人情報を入力すると、あっという間に自分の指定口座の内容が画面に出てくる。
今は個人口座限定のようだが、複数の口座を持っている人は、複数口登録ができて、画面をフリック(画面に指をつけて横に動かす)すると、複数の口座の内容が順番に見られる。今の時代は、2つ以上の口座を持つのには理由がいるが、大画面は現在残高で、その下に出入りが日付順に出てくる。 これでピンときたのは、不動産売買代金の振り込み確認が、これで出来る。金融機関で、「今から振り込みます」と言われて、今は直ちに振り込みが完了する。このスマートフォン(スマホ)のサービスを使えば、先の入金確認もたやすくなる。 私も38年間宅建業務にたずさわっているが、その昔は、振込には何時間もかかっていた。そのために、一端解散して再度集合という取引場面もあったほど。流石に今は早いが、しかし着金確認は、店頭のATMへ行くしか方法がなかった。 昨今の不動産取引は、相続物件の売買が多くなり、対象不動産から見ると、遠隔地に居住されている所有者が多くなっている。これまでは、「契約」で手付金を1~2割り入れて、およそ1ヶ月後に残代金の支払と、所有権移転登記を同時に行う。これが「取引」と呼ばれている。つまり2度の「ご足労」をおかけしていたのですが、最近は一度契約時だけというパターンも増えつつあります。 また百十四銀行は、「通帳なし」のお客様へは500円の現金還付をするような新しいサービスも同時に開始している。百十四銀行が、銀行新時代に突入したように思う。銀行の収益が少なくなり、銀行も、例えば店外のATMをなくして、コンビニの入出金サービスを利用して手数料を払うシステムに移行している。ATMは、1台1億円とも言われている。 イオン銀行などは、すでに「通帳なし」で業務に支障をきたすことがなく銀行業務が運んでいる。しかし私も珍しいものが好きで、イオン銀行でも口座をつくり、カードで引き出すことをしていたのですが、黄斑円弧の手術で失明もあり得るとして、残高をカラにしました。万一の場合でも、通帳があると相続人へも事実が伝わる。何にもナシでは、何も分からないのではないかと心配します。 しかしそんな心配をしていても仕方ないのですが、私たち団塊の世代次人間は、やはり通帳がないと心許ない気がする。それでも金融機関は、遅かれ早かれ「通帳なし」も導入してくると思われる。慣れるしか無いのだろうが、「百十四銀行お前もか」とブルータスの心境であります。便利と不便は、表裏一体の構成をなしている。 |