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曲がり角に立つ中国経済「中進国の罠」にはまる
2月10日(日)四国新聞に、伊東洋一(三井住友トラスト基礎研究所主席研究員、経済ジャーナリスト、四国新聞特別コラムニスト)氏の投稿が掲載されている。実に的確に捉えていると感心しながら、私の中国感をまとめるために転用させて頂く。

人口14億人の中国が、今まさに岐路に立っていると感じる。経済成長率は落ち、一部では雇用不安も囁かれている。爆買いが落ち着いたのも、「中国人の成長」ばかりではないと思う。習近平国家主席の地位が終身となり、人権派弁護士や作家などリベラル派の動きにも強権を発動し、彼らの動きを早めに封じ込めようとしている。都会の街角には、数多くの「監視カメラ」が人民に向けられている。まさに監視社会の中国。

中国経済の落ち込みには、二つの要因があるという。一つは中国経済自体が、「中進国の罠」に陥る時期に差し掛かっているという点。もう一つは、アメリカとの経済摩擦(過去の小欄では経済戦争とも書いた)。アメリカの対中政策が、過去の小欄のまなべ塾長真鍋光広氏の分析の通り、中国が経済的に豊になれば政治体制が緩んで、少しは民主的な国になるのではないかと考え、それを許してきた面がある。

「中進国」とは、「先進国」と「発展途上国」の狭間という意味だろう。「中進国の罠」とは、国民一人あたりのGDP(国民総生産)が1万ドル(約110万円)に接近する「中進国」となった頃から、「発展途上国」の追い上げによって輸出品が競争力を失う一方、「先進国」と競争するには技術力などが十分でないため、結果として成長が停滞してしまう現象をいうと伊東洋一氏は実に上手く書いている。

まなべ塾長真鍋光広氏の話でも、「アメリカの技術を拝借すればいい」という中国首脳の発言があったように、アメリカも20世紀末頃の中国を過小評価しすぎていたきらいがある。そして今のアメリカは、現状では中国が民主国家になる可能性は限りなく小さいと考えている。そして企業にも中国国民にも、海外からの知財持ち込みを推奨し、時に強要するかのような手法をとっている。

今、中国が推進しているのが世界一のハイテク国家を目指す「中国製造2025」。この計画をアメリカは、「世界での覇権をアメリカから奪取する策略」と看做した。それ故の、「対中強硬姿勢」なのだ。その先兵が華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の両社で、アメリカはファーウェイの副社長をカナダで拘束し取り調べている。アメリカは本気になって、中国との経済戦争に入ったと見るべきだろう。

それに呼応して12月10日、日本政府は「サイバーセキュリティ対策推進会議」を開き、各府省庁で使用する情報通信システムに関して「悪意ある機能が組み込まれた機器を調達しないこと」を申し合わせ、この方針を受けて、携帯電話大手3社(NTTドコモ、au、ソフトバンク)は、基地局などの通信設備から、中国大手ファーウェイなどの製品を事実上除外する方針を固めた。

中国共産党はかなり前から、中国がこの罠に陥りかねない危険性を予測し、ハイテク、知財国家への脱皮を図ってきた。その一環が、アメリカが強く非難する「知財の盗み取り」や、進出先進国企業への「知財供与強要」などだ。中国は推奨できない手段で、高度産業経済へのレベルアップを急いだ。

日本の新幹線技術も、仕入れた後にすぐ解体し、その詳細を真似して作り、あらぬ事かその新幹線技術を輸出するまでの愚行を繰り返す。国の経済的成長には、資本と技術の両方が必要だが、日本からのODNが終わり世界銀行が対中融資の規模を減らし、企業も中国での投資に二の足を踏み始めた今、二つの点で中国は経済成長の足かせ要因を抱えた。

中国経済について「昨年11、12月は経験したことがない落ち込み。46年間経営しているが、こんなに落ちたのは初めてだ」という日本電産の永守重信会長の最近の言葉が記憶に新しい。中国経済の動向は、日本経済の先行きにも影響が大きい。「中国リスク」だけは、頭の片隅においておきたいと、伊東洋一氏は結んでいる。


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| 社長日記 | 10:16 AM | comments (0) | trackback (0) |
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