どこの主催が知らないまま、ライオンズクラブ事務局から転送された案内に応じて、標題のセミナーにクラブ会長と参加しました。参加対象者は、子ども・若者の育成支援に関心のある方となっていますが、ライオンズクラブの活動と真逆だとは言いませんが、よく似たようでもありますが、違う感じがしました。しかし「関心のある方」とはよく言ったモノで、誰でも参加できるセミナーでもあります。
前半の『地域防犯パトロール活動の実践と成果』では、香川大学防犯パトロール隊の活躍が自らですが、紹介されていました。香川大学のサークル活動の中で立ち上がった組織のようですが、数年活動の輪を広げているとのこと。サークル活動の中で唯一学長表彰となったと報告されていましたが、私は違和感を覚えました。商店街のパトロールなどは、われわれ高齢者でも組織化すれば出来ます。
いみじくも10月31日(月)のTV報道では、県下で1日1千万円の詐欺被害があり、4人の高齢者が騙されたとあります。大学生の知能を駆使して、このような『オレオレ詐欺』をなくす運動に取り組んでくれているというのなら「さすが大学生」と感心しますが、後期高齢者と同じ動きでは、「あ々そう」で終わりそうです。
後半の講演『困難を抱える子ども・若者の現状とその支援』久留米大学・門田光司教授の話は、なるほど第一人者と言われるだけの理論をお持ちの方だと感心しました。わが子を持つ親として、ニート、ひきこもり、不登校の子ども・若者支援は他人事のように見ていますが、子ども・若者は将来のわが国を担う大切な存在ですという訴えには、思わずうなずきました。そうです、納税者とならないのです。
大学の先生らしく、羅列するのは上手です。それによると、義務教育課程の学校現場が抱える児童生徒の課題として、以下の9項目があるようです。
不登校問題・家庭環境対応・いじめ問題・児童虐待対応・非行対応
子どもの貧困問題・発達障がい支援・LGBTQ・ヤングケアラー
この中で聞き慣れない言葉としてのLGBTQは「セクシュアルマイノリティの総称」として使用されています。★レズビアン(Lesbian) ★ゲイ(Gay) ★バイセクシュアル(Bisexual) ★トランスジェンダー(Transgender) 。
ヤングケアラーは、家族にケアを必要とする人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子どもを言います。自ら家族の中の要支援者の面倒を見る子どもで、不登校にならざるを得ない立場の子。
2時間の講義を聴いていて、先にも書いたように『義務教育課程』でのあり方が、一番の分かれ目だと感じました。なぜこうした現象が現れているか、私は大人の世界がこれまでと違うことに原因があると思います。私の常識的家庭像は、両親が健在で父親は普通に働き、母親は家事に多少のパート勤務。兄妹は2~3人、祖父母が健在なら同居。
これなら先の課題は、その当時問題にならなかったように、今でも零ではないにしても、今のように顕在化することはなかったと信じます。総じて言えることは、『仕事』が多くを解決すると思いました。子どもの仕事は『勉強』です。ここでつまずくと、不登校になりいじめにつながり非行化もします。
大人の場合でも『仕事』です。内容は問わず、両親が活き活きと働く姿は、子どもに勇気と希望をもたらします。子どもたちも行き詰まったら、ジジババに相談出来たら多少は違ってくると思います。大人の選択で、私の『常識的家庭像』とはほど遠い家庭環境だと思います。もっともそれを否定するモノではありません、子ども・若者の立ち位置は、大人がつくっていることを改めて自覚しました。