2022,10,04, Tuesday
北朝鮮が4日午前7時22分(日本時間)ごろ、東へ向けて弾道ミサイル1発を発射し、それを報じる朝のTV番組は、緊急番組を流し始め、NHKの朝ドラさえも中止となった。日本政府によるとミサイルは、同28~29分ごろに青森県上空を通過し、同44分ごろに日本列島の東約3200㎞の排他的経済水域(EEZ)外の太平洋上に落下したと見られている。推定飛行距離は約4600㎞で、北朝鮮ミサイルとしては最長記録だという。
最高高度は、大気圏外の約千キロ。日本上空を通過するのは7回目で、2017年9月以来5年ぶりのことだったというが、今年はこれまで長いのはなかったが、巡航ミサイルを含めると23回目で過去最多ペース。北朝鮮は確実に、ミサイル技術を伸ばしている。これに対して日本の防衛は、ただ指をくわえて通過を見ているだけなのか。 素人の私でも、日本に飛来する恐れがあるミサイルが発射された場合、大気圏外と大気圏内の二段構えでこれを撃ち落とす弾道ミサイル防衛(BMD)システムを構築しているとの政府発表を聞いている。今回は、北朝鮮からのミサイルが、日本国内に落下する恐れがないとして破壊措置は行わなかった。しかし今回だけでなく、過去にもミサイル迎撃は行われていない。 防衛省によると、BMDは海上自衛隊のイージス艦に配備する迎撃ミサイル(SM3)と、地上で運用する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の二本柱で構成。大気圏外を飛行するミサイルをレーダーで追尾し、イージス艦がSM3で撃ち落とす。撃ち漏らした場合、PAC3を使って迎撃する。これらを説明したシステム図は、TVや新聞などでもよく見かけるが、実際に使用されたことはない。つまり相手の実験に対して、こちらの実験が全く出来ていないのだ。 国民の間には、高額なBMDの整備に対して要した予算総額はこれまで約2兆8千億円にもなっているが、これが本当に実効を伴うのか訝る声が大きい。実験には実験で対応するのが、一つの抑止策ではないか。実験に失敗して、更なる防衛費が必要とは理屈が通るが、心配だけで自衛艦で最大級となるイージス・システム搭載艦の建造を予定し、27年度就航を目指すというのには、違和感を覚える。 否それ以上に、相手のミサイル基地を攻撃するというのは、日本が掲げる専守防衛から逸脱すると考える。最近はこれまでの常識では考えられなかった狂気の沙汰が、大手を振ってまかり通っている。生きるすべとして、防衛政策は欠くことが出来ない必要不可欠策だ。次回の日本へ届くミサイル発射には、毅然としてミサイル迎撃をやって貰いたい。 合わせて日本政府は、全国瞬時警報システム(Jアラート)で北海道と青森県、東京都の島しょう部を対象地域に指定し、避難を呼びかけた。東京都島しょ部には誤って発信していた。こんなこともあろう。Jアラートが実験だとは言わないが、訓練もこのように必要ではないだろうか。 |