2017,12,31, Sunday
今月29日の日経新聞一面トップに、「土地相続登記を義務化」という大見出しの記事が掲載されていたのは小欄でも紹介しました。相続登記は任意で、法的強制はありません。私はこれを、「損得の世界」の裏表と呼んでいるのです。
登記した方が得だから登録免許税という税金を支払ってまで、登記をする。これで自分のものだと、主張ができることになります。だから、第三者に負けないスピードで、先に登記する。第三者が先に登記すれば、負けることになりかねません。犯罪行為等の不正があれば、これはまた別の世界のことになりますが。 私は、「土地」は個人のもの(公共物は勿論別です)だが、ある意味公共財の意味合いも大きいと考えています。宅建業者としては、所有権は個人特有の権利だと喧伝する方が儲かるかも知れないが。一般的に言って、あまりにも個人の「所有権」が強すぎると思います。自分のものだから、額に汗して苦労して買ったものだから、自分だけのもの。 もちろん「土地基本法」など、公共の福祉に供するという側面もありますが、基本的には「個人尊重」主義で、私はこれが強すぎると思います。従って道路中心線から2㍍下がれと言われても、下がったフリをしながら、植木の鉢を置いたりする。流石に、この部分を花壇にする人は少ない。 ここからが私の提言です。今年7月に書いた文章を掲載します。 謹啓 みなさまお元気ですか、私は松野不動産株式会社の会長をしております松野誠寛と申します。町内に産まれ育ち、今年65歳の前期高齢者の仲間入りをしました。 余命20年と考えて昭和30年代からの、仏生山町内の繁栄をもう一度と考えて、その手段として「特定非営利活動法人(NPO法人)仏生山魂再開発フォーラム」を立ち上げて、一番の仕事として、平池堤の平成乙女の像の新像ブロンズ化に努力しております。 法人の目的及び事業につきましては裏面をご覧頂くとして、ここでは具体的事業について、私の考えるところを書かせて頂きます。 松ノ下団地は、今から40年近く前に造成された団地で、仏生山駅徒歩10分程度の距離に有り、大変人気のあった団地の一つでありました。 しかし、道路幅員が4メートルあるやなし、また水路や電柱が有り、「狭いなあ」と誰もが思う現状であります。 そこで提案ですが、幅員が4メートルあるところで50㎝の敷地を道路に提供していただけないかと願っております。両方で100㎝になり、その部分をNPO法人に寄付いただき、さらに高松市に寄付して道路幅員を5メートルとしたいと考えております。 すでに郵便局から東の県道交差点で、50㎝の提供を頂き、心持ち車の交差がスムーズになっております。 今の時代、市や県を頼っていては、何の改善にもなりません。良くしようと思えば、自らが考え行動することだと考えて提案するところであります。 謹白 これは自分たちで、道路を拡幅しようと提案するものです。土地は自分たちのものですが、公共財の側面もあります。50年前に施工された道路は、今では狭いと使い悪さを感じるのは仕方のないこと。市道だから市が何としてくれる時代は、もう永遠に来ないでしょう。より一層民間の知恵と、提供が必要になると思います。 加えて道路のことです。先の団地の道路は「高松市道」ですが、「私道」の道路も数多く散見されます。道路設置から10~30年程度したら、市が寄付を受けて「市道」にすれば良いと思うのですが、管理上の責任が発生するなど危惧して、市は寄付採納を受けません。 所有者不明の土地の取り扱いが脚光を浴びるなか、私道の取り扱いも何とかしてもらえないだろうか。特にライフライン(上下水道やガス管)を敷くための私道掘削承諾書は、私道に隠された実務上大きな問題です。 私道でも、特定行政庁(香川県・高松市)が決めた基準で道路施工をすると、準市道のような扱いを受けて、その道路に2㍍以上接道していると建築することが許可されます。「道路位置指定」という制度ですから、民間の行う開発事業に多く用いられているものです。ただし、先の私道掘削承諾書は別物です。最初の導入時は、問題にならないだけに、忘れた頃に問題が表出します。 私道ですから、所有者がいます。民間開発業者であったり、建築業者が名義人として多いのですが、中には周辺の関係者らが1/10づつ、共有という登記もあります。仮に10人の共有登記になっていれば、掘削同意(私道掘削承諾書)は全員にもらうことになります。10人の内、死んでいるのに名義が換わっていない登記もあります。 また掘削のたびに承諾書が必要です。そうたびたび穴を掘るものではないのですが、それにしても30年50年となると、何度かその災難にも遭遇します。ここからは割愛して、一度承諾をもらえればそれを登記に繁栄したら、次の人はそれでもって掘削することができるようにすれば、良いと思うのですが。 とにかく世界でも狭小の国、日本。その中で、香川県は最小県。香川県から全国へ発する法制改革、そんなのができるとも思いませんが、常に自らの意見を言い続けて、少しでも良くしたい。そんな思いを込めながら、今年は最後まで紅白歌合戦を観ました。 私が紅白歌合戦の最初から最後まで観たのは、人生初めてかも知れません。こんな茶番は嫌いだと、うそぶいていた若い頃。されど紅白歌合戦は偉大です。安室奈美恵さんご苦労様でした。桑田佳祐さん、ありがとうございました。これをもって、2017年の会長日記の最後にさせて頂きます。良い年をお迎え下さいませ。ありがとうございました。 |