2022,06,20, Monday
17日の建築士定期講習は、県立文書館の2階、大規模研修室でした。1階の図書館と、文書館を貫いて作られています。旧の高松空港跡地で、ここに空港が残っていたら『福岡空港』みたいに、都市型空港になっていたのかもしれません。しかし近くに神社の森があって、また立退きの関係から延伸が叶わず、現の山麓地にある高松空港に新空港が完成し、ここは産業集積地(私は四国のシリコンバレーと考える)で、1200㍍の旧滑走路に官民の建物が林立している。
と言うことで、日本一の地震発生装置を持つ国の実験棟もあります。香川大学創造工学部のキャンパスもあったり、サンメッセ香川(コンベンションセンター)と、自慢は大規模駐車場。いろいろ空き地利用案もあったようですが、現在はどうですか1千台は優に駐車出来る空間があります。高松中央インター至近で、講習会場としては複数の大中小会議室が完備されています。 その中の図書館ですが、調べ物があって建築士定期講習が終わって、同じ建物の中ですから立ち寄ってみました。戦後70年年表を作っているのですが、2021年の出来事がまだ完成していません。『図書館司書』に尋ねて、読売新聞から出版されている書籍に出会いました。2021年がほぼ完成したら、2022年版に掛からなければもう半分が経過しました。 驚いたのですが、図書館の窓口業務は『宮脇書店』が担当しているというのです。図書館へ来るのは久しぶりで、そうかとすぐに納得しました。専門業者委託が効率的で、経費の抑制にもつながるのでしょうね。言われてみれば、官営従業員(期間限定雇用)でも民営の人(パート・アルバイト)でも内容に遜色はまずないでしょう。 働く人の成熟度の差はありますが、それもある程度の訓練で慣れます。宮脇書店は、店舗数では日本一の規模だったと思います。働く従業員も多くて、欠員がでても補充は任せて安心。昨今は、県市町の施設に指定管理業者制度を取り入れています。周辺でも、先のサンメッセ香川、図書館・文書館、仏生山交流センターなど数多くあります。 そうそう15日(水)に松山法務局西条出張所(愛媛県西条市)へ出向きましたが、ここの業務は『日本郵政(郵便局)・日本郵政オフィスサポート㈱四国支社』に委託していると書かれていました。発行される証明は登記官名ですから、遜色はありません。総数が5名程度ですが、その1人の男性は、定年後再雇用かもしれませんが、不動産登記関係に詳しかった。こういう人は、来社者にもありがたい。ここにしかないモノを取りに来ているのだから。 こういう人材活用策は、日本の底力としてとても有効だと思いますが、所詮短期間のことで、先10年20年を考えると、果たして若者が育つのか心配でもあります。この5名の中に1人でも若い人がいたら継承になり、次への贈り物になると思うのですが。それらしき人は、いなかったなあ。 日本人若者の思考傾向として、額に汗して働くのは嫌、結婚や子作りも嫌、同じ職場で定年(あるかないかわからない)まで働くも嫌、自分の好きな仕事に就けなければ非正規雇用でも良い、親の財産を食い尽くしたら生活保護で死ぬまで暮らすのもありかな。こんな思考傾向が増えるように思うのですが、これは世の中にとっても人の営みからしても危機だと心配します。 |
2022,06,19, Sunday
北海道・知床半島沖で沈没事故を起こした観光船『KAZU1』は、事故後早くから地元(香川県下)で言われていたのですが、約40年前に山口の造船所で建造され、広島と岡山の定期航路で計約20年間使われていた内海用の船でした。穏やかな瀬戸内海から波が高いオホーツク海に転用したことに、関係者からは疑問の声も上がっていた。
山口の造船所では、瀬戸内海や関門海峡付近で使われる漁船や作業船などを製造していたが、今は廃業しているという。進水後は、広島県で定期高速船として活躍。まだ本州四国連絡橋『しまなみ海道』が開通していない頃、『ひかり8号』として三原市と約10キロ離れた生口島(尾道市)間を約30分で運航し、通勤通学客や観光客を運んだ。 船舶の運航区域を定めた船舶安全法では、瀬戸内海は湖や川と同じ『平水区域』に分類されている。岡山で点検や海底塗装などを施した造船所の経営者は、「高波を受けたら船体が揺れやすい構造なのに」と、船がオホーツク海で使われていたことに首をかしげる。別の海運関係者も「中古船は需要があれば国内に限らず海外へも行くが、今回の転用は使用する環境の差を考えておらず素人がやることだ」と語っていた。 船は2004年、同3号とまとめて大阪市(当時)の男性に所有名義が移り、翌年には知床遊覧船の名義となり、知床へ渡った。男性は報道機関の取材に対して、「名義を貸しただけで、詳しいことは知らない」と話している。船も、不動産と同じように『登記』が行われる。香川県坂出市には、船の登記業務を専門にしている司法書士さんもいた。 中古でも船舶は、不動産以上の相対的価値を持つと言われていて、良い値段で売買される。不動産の最後の解体は、新築代ほど掛かると言われ始めている。中古でも船舶は、くず鉄となり売却益が出る。日本の国鉄が運航していた宇高連絡船や、青函連絡船などの船は今でも海外で活躍していると聞く。日本の船には、安全神話がまだあったのだが。 企業経営は投資対効果が問題になることは自明だが、やはりどこかの片隅に『安心安全』と『遵法精神(一層のコンプライアンス)』を置いていないと、長期ではひっくり返ることがあるということの一例かもしれない。しかし24人(船長・甲板員の合計26人)の命と引き替えの学習は、授業料はともかくとして、何ともいたたまれない憤りを感じる。金では決してすまない問題だ。 |
2022,06,18, Saturday
通常国会が閉会した。政府上程法案がすべて国会通過したのは、24年ぶりとか。岸田政権は、大きな失敗がないためか、内閣支持率も高い。与野党は参議院選に向けて、事実上の選挙戦に突入する。却下香川選挙区を眺めてみると、自民党現職に7新人が挑む、過去最多の8人立候補での選挙となるようだ。私の贔屓筋の磯崎仁彦参議院議員現職が強いと思うが、選挙は一寸先が闇と言われる。何が起こるか分からない。
もう一つの話題は、既存政党の6党(自民・立民・維新・共産・国民・N党)の新人6人と、諸派新人の2人となっていること。これだけの政党が揃うのは、地方にあっては珍しいのではないか。これまでは自民・公明の与党に対して、野党の連立という構図が多かったのだが、野党連立がまとまらなかったのだろうか。いずれにしても、岸田政権の今後を占う選挙となるのは間違いない。 私などは初手から選挙を棄権したことはないが、投票率が50%余というのは恥ずかしい。自分一人が投票してもしなくても大勢は変わらないと思われがちだが、選挙権のない例えば高校生などから見れば、『政治がダメだ』と言いながら、投票に行かない大人はどう見られているのか。私は、投票率75%が民主主義の分岐点だと思っています。このぐらいの投票率になれば、民主主義を貫いたと自慢しても良いだろう。 民主主義を貫くことは、非民主主義体制と戦争することばかりではない。人のことを言う前に、自分が出来ることを果たしたい。参議院選挙は、6月22日(水)公示、7月10日(日)の投開票となる。今では『期日前投票』という手段もある。しつこいようですが、75%が国民・有権者の義務だと私は思っています。 蛇足ですが8月は香川県知事選挙、現職の浜田恵造香川県知事が勇退される。自公公認の池田豊人氏が、立候補を表明している。まさか知事選が無投票で決まることにはならないだろうが、参議院選挙に対して、低調と言える。来春には、高松市長選が予定されている。こちらは現職の大西秀人高松市長と、会社経営の灘波博司氏が立候補を表明している。 選挙は続くのですが、いずれも身近な選挙であって、投票率75%位で選出したいモノであります。選挙は、権利であり義務でもあると思います。生意気を申しましたが、選挙民の態度も、選挙を盛り上げることになります。私は投票に行きます。選挙当日は不在ですが、期日前投票をします。磯崎仁彦候補の健闘を、お祈りします。 |
2022,06,17, Friday
建築士に対する定期講習の受講が義務付けられる建築士は、建築事務所に所属する一級建築士、二級建築士及び木造建築士であり、原則3年以内ごとに定期的に本日のような6時間の定期講習を受講する義務があるのです。私は不動産屋として木造建築の仲介に携わることから、若い頃に建物の勉強の一環として木造建築士を受験しました。同じ考えの先輩がいて、彼の主張を鵜呑みにして励みました。
会場は香川県立文書館(高松市林町)ですが、9時から開館します。県下一円から来ていて、駐車場待機組も多く見かけました。座学ですが、最後の1時間は本気の終了考査で、退屈はしないのですがついていくのは大変です。講義内容も一級・二級・木造の別なくですから、私のような木造建築士は、必死でページを追います。 そもそもですが、『建築士法』は、昭和25年に建築物の設計、工事監理を行う技術者の資格を定めてその業務の適切な運用の確保を図る法律制度として、建築物の最低基準を定めてこれを規制する『建築基準法』とともにスタートしました。2つの法律は、建築物の質の確保と向上を図るため車の両輪として機能するように、制定され運用されてきたのです。日本が、敗戦の焦土から立ち上がる牽引力になりました。 しかしながら、平成17年11月に明らかになった姉歯構造計算書偽装問題は、これらの制度に対する国民の信頼を大きく失墜させることになりました。このような背景の中で、平成18年6月公布の建築基準法の改正、平成18年12月公布の建築士法等の改正が行われた。大きな犠牲と共に、これらの法律は厳格化され、資格者にそれを求めるのが常です。 最近の法改正の流れについて一律に論じることは出来ないが、大規模火災を巡る状況(糸魚川市大規模火災平成28年12月・埼玉県三芳町倉庫火災平成29年2月)から、防火関連規制の考え方も大きく変化した。従来は全ての壁・柱等に対し、一律に性能を要求していたが、改正後は密集市街地等における安全性の確保では隣棟への延焼防止が、用途変更(「リノベーション」やリフォーム工事)に当たっての合理化では、在館者の避難安全、木材利用の推進で火災による倒壊防止に力点が置かれた改正になっています。 またこれまでの『新築』中心の規制から、『既存建物の改修』へと大きく舵を切っているのも見て取れる。同じように、鉄筋コンクリート造神話から木材を有効に使う手段方法を確立発展させる方向であることも、国の考える方向性を感じる。日本のおかれている地震多、密集市街地等の現況を考えると、山積する課題は多い。衣食住の一角を担う住宅産業界の、広く考えれば建物建築全般の進化には、講習も必要だろう。 |