2021,07,25, Sunday
第103回全国高校野球選手権香川大会決勝戦は、高松商-英明で25日11時から炎天下のレグザムスタジアムで行われ、高松商が6-5で逆転勝ちし、甲子園切符を手に入れた。試合は二回と四回に、英明が各2点を先取し中盤まで英明優位で試合がすすみ、高松商が五回に1点、六回に3点を入れて同点に追いついた。さらに七回に2点を追加して逆転、英明の追い上げを八回1点に押さえ、6-5で高松商が辛勝した。
一昨日の大手前高松戦で九回4点差を逆転した高松商は、今日も中盤まで相手チームにリードされ、苦しい戦いを強いられた。しかしなぜか、負ける気がしなかった。前試合が奇跡の勝利で、野球の神様が高松商の見方をしてくれている。どこかで追いつき、かならず逆転してくれる、その思いが私には強かった。しかし1時間前に球場入りしても、スタンドは混んでいた。仕方なく英明側に着座した。辛かった。 その五回裏、この大会7番の定位置に戻った末浪佑絃は、2-2から2塁打で1点。8番ピッチャー渡辺和大の送りバントを、三塁手のエラーの間で1点、ランナー1・3塁ながら2者凡退。このあたりにも、課題が山積している。コロナ禍で、練習試合も思うように出来ず、チームとしては『仕上がり前』と言わざるを得ない。今日も高松商らしくないエラーが2つ。前試合の7つから修正されたが、凡エラーは頂けない。 9番橫井亮太を長尾健司監督は、前試合の3エラーにも拘わらず、先発メンバーに入れていた。三回はセカンドゴロに終わったが、ここで橫井はレフト前安打で打点1。しかし後続が続かず、五回は1点止まり。続く六回裏、3番安藤康城三塁手はフォアボール出塁。4番本田倫太郎選手が送りバントで、1アウトでランナー2塁。5番藤井陸斗がライト前ヒットで打点1。6番山崎悠矢がデッドボールで1アウト1・2塁。 たまらず英明は、守備のタイム1回目。その後7番末浪佑絃がセンター前ヒットで1点、続く8番渡辺和大投手の三塁線犠打、エラーを誘って1点。1アウト1・3で9番橫井亮太三振、1番野崎隼斗も良い当たりながら、英明の寒川投手のグローブへ。この六回、二人のランナーを残しながらも3点を奪取し、同点に追いついた。勝ち越しが出来ていたら、もっと楽な試合になっていただろうに。 七回の裏、先頭2番浅野翔吾選手がソロホームランで1点勝ち越し。フォアボール、犠打エラーでつないで7番末浪佑絃のライト前ヒットで1点。末浪佑絃はこの試合3打数3安打2得点。四球1に盗塁1。確かにエラーもあったが、大活躍。この段階で高松商のリードは2点、このまま終わるかと思いきや、八回8番途中からリリーフした英明・石河大空投手が、目の覚める当たりのホームラン。ソロで良かったと、胸をなでおろす。 次の9番吉峰・1番細川を連続三振。結果この1点で英明の攻撃もおしまい。2年生渡辺和大投手も良く投げた。甲子園大会が楽しみだ。最後の九回表英明の攻撃はエース坂中大貴が三人で押さえて、6-5で試合は終わった。試合後に閉会式が行われ、県高野連から賞状・優勝旗が高松商山崎悠矢キャプテンらに手渡された。 高松商のピッチャーは、先発が左の徳田叶夢投手で三回まで、被安打3本、四死球1で失点2。2番手、渡辺和大投手は四回から5イニングスを被安打4、失点3自責点1、四死球3奪三振4の投球だった。成長している姿が、印象的だった。ここでも長尾健司監督は、前試合で失敗した選手を使った。これが、長尾流野球教育の一環だ。 渡辺和大投手のおじいさんが、今日は野球後援会・真鍋健彦会長の手を握って涙していた。前回の先発、二回の3失点でチームや応援の皆さんに迷惑を掛けた。そんな思いが、祖父にはあったのでしょう。九回はキャッチャー山崎悠矢の進言で、長尾健司監督は坂中大貴(背番号1)を送り出し、三振と外野フライ2で仕留めた。1アウト後のレフトフライは、スタンドぎりぎりの当たりを5番藤井陸斗左翼手がファインプレー。 この結果高松商が、香川県体表として8月9日(月)からの第103回選手権大会へ出場する。表彰式の後、学校へ帰っても特別のセレモニーもなく、早速第1回甲子園出場実行委員会が開かれ、高野連の出場マニュアルに沿って、1チーム2,000人までの制限下、学校関係者の応援隊の編成に入った。同時に、募金に関しても検討され、詳細については決まり次第、ホームページ等で発表します。http://siunkai.org/ 英 明 020 200 010 5 高松商 000 013 20X 6 |
2021,07,24, Saturday
第32回夏季オリンピック東京大会は23日夜、東京の国立競技場で開会式が行われた。前日まで、式典関係者の解任劇という前代未聞のドタバタのなか、幕を開ければ大過なく式典が終わった感じがします。1964(昭和39)年の前回東京五輪が、『平和と(敗戦からの)復興』をテーマにし、見事にそのお題目をクリアーした。新型コロナウィルスの影響で、史上初の1年延長となった今大会は、開催都市東京が緊急事態宣言下にある中で幕を開けた。
開会式も含め、大半の会場が無観客。感染拡大への不安や直前まで相次いだ大会組織委員会の混乱で、祝祭感が少ない異例ずくめの祭典となったが、日本人らしいアイデアでひとまずまとまった。振り返って見れば、『多様性と調和』で大坂なおみさんが、最終ランナーとして球体の聖火台に点火したのもうなずける。 私の世代では、あれから57年の集大成の五輪に、長嶋茂雄氏やアテンド役の松井秀喜氏、隣で聖火を持つ王貞治氏の三人の登場は新鮮だった。開会宣言は、本来開催地の小池百合子東京都知事の仕事かと思いましたが、天皇陛下の役割でした。大統領に代わる菅義偉首相でもなく、橋本聖子東京五輪大会組織委員会会長でもなく、天皇陛下のお言葉が最適でした。 今大会には、不参加となった北朝鮮を除く205カ国・地域と難民選手団を合わせ約1万1千人の選手が参加。8月8日(日)までの17日間で、史上最多の33競技、339種目を実施する。開会式には選手、役員約6千人が参加。無観客のスタジアムに歓声は響かなかったが、椅子の色のせいか、無観客のさびしい印象を払拭していた。そこまで読んで、設計施工したわけではなかったと思うのですが、不幸中の幸いでした。 聖火は場所を移動し、開会期間中、いつものように燃え続けるようです。聖火台が会場内にないことが当初問題になっていましたが、『多様性』を論じるなら『これまでの常識』も打破しないと成長はない。今回の東京は、当初『3.11東日本大震災からの復興』といった理念はかすみ、コロナ禍での開催意義が改めて問われている。 はじめたら、最後までやりきる。スポンサー企業の開会式欠席は選択肢の一つだとしても、三大経済組織の代表の欠席などあってはならない。このような護送船団方式は、もう世界に通じない。組織のトップは、組織のことを考え、『私の都合』などもってのほかと言わざるを得ない。あなたが呼ばれているのではなく、立場が参加を求められている。あんたらも高齢者かも知れないが、日本人だろう、逃げるな根性なし。とっとと辞めて、家へお帰りなさい。 国内の新規感染者は拡大局面で、来日した選手関係者の陽性も続いている。政府やIOCが『安心安全』を唱える大会への逆風は、大型台風並みとなっている。とりあえず賽は投げられた、世界の人々の心に残る大会になってほしいものだ。感染拡大防止のため国民の皆さん、不愉快なのは分かるが、どうか我慢して下さい。私も医者に止められて、酒類をもう1週間少し断っています。やってみれば、我慢も良いモノです。 ところでもう一つの五輪ネタ、スペイン風邪のパンデミック(感染症の世界的流行)下、1920(大正9)年ベルギーのアントワープ五輪大会も、パンデミックを乗り越えての開催だったと報道されている。1914年から18年まで続いた第1次世界大会が終わったばかり、1916年大会が戦争で中止になって、流石に二大会中止となれば、始まって20年余りの近代五輪は、終わってしまっていたとも言われている。 第1次世界大戦はヨーロッパが戦場となり、約1800万人が犠牲となり、スペイン風邪では20年の収束までに4000万人以上が無くなったとされている。ベルギーは大戦でドイツに侵攻され、港町アントワープの街並みは至る所に戦禍の跡が残っていた。開催できた背景には、ベルギーでスペイン風邪の被害が軽微(スペインが病巣の中心ではなかった)であったこと、五輪がまだ欧米諸国中心の限定的な大会だったという事情もある。 だが最も大きかったのは、スポーツを通じて世界の平和と団結を訴えようとする、五輪運動を未来につなげようとした意志だろう。大会には、当時最多の29カ国が参加した。それから約100年。現代の五輪は巨大化し、当時と単純な比較は出来ない。ただ感染症の脅威に加え、過度の商業主義で理念を見失ったと批判される五輪が存続のピンチにあると言う意味では、当時と共通する大きな『課題』だ。 |
2021,07,23, Friday
香川県大会準決勝第2試合、高松商4-8大手前高松で迎えた9回表、高松商の攻撃だが、8回の表の攻撃で、9番向井万旺選手から上位へ続く3連打で、無死満塁、バッターはチーム内で今一番当たっている3番浅野翔吾選手。彼は前の試合で満塁ホームランを打っているが、ここは4点差を考えてまず1点から挽回すべく単打狙いで鋭いライナーの当たりを左に打った。
実に良い当たりだったが、三塁手のグラブに吸い込まれ三塁ランナーまでも帰塁できず、ダブルプレーに終わり、次の4番安藤康城もセンターフライで無得点。ここで高松商の敗退が、決まった雰囲気だった。少なくても、そう考えて高松商の応援席も、幾つか空席になった。私はこの記事を書くために、最後まで見極めざるを得ない。正直、私もここで終わったかと思いました。20人の偉大な高松商ナイン、長尾健司監督ゴメンなさい。 9回表、5番藤井陸斗は今日2安打ながら、ここは1ボールからの2球目に手を出し、センタへフライに倒れた。積極果敢に攻めるのは良いが、凡フライは頂けない。しかし6番本田倫太郎に代えて、代打19番山田一成がセンタ前ヒット。続く7番キャプテン山崎悠矢は、ここまで1安打、同じようにセンタに運び1アウト1・2塁。続く代打鈴木敦稀の レフト前ヒットでまず1点。 迎える9番向井万旺が、イレギュラー気味のショート適時打となり1点追加。これで点差2まで追いついた。向井万旺の、6・4・3のダブルプレーで終わっても仕方のない打球。天は、頑張っている高松商のベンチ組の見方をした。1番に戻って今日2安打の野崎隼斗、初球か2球目を三塁フライ。上げたらいかん。すかさず、1塁ランナー向井万旺が盗塁。2死から2番末浪佑絃が、3ボール1ストライクから四球を奪い、2アウト満塁。末浪佑絃はこれまでの7番から、定位置の2番に戻っていた。 8回表の末浪佑絃の打席は、3ボール2ストライクから見事なバットコントロールでレフト前へ落とすバッティング。正直彼はどこでも役目(出塁)を果たしているが、決勝戦はやはり2番で3番浅野翔吾選手の一発(長打は要らない)で、4番安藤康城5番藤井陸斗左翼手へつなぐのが高商流かも知れない。いずれにしても私は、奈良から来て祖母宅に寄宿してまで頑張っている末浪佑絃選手に、絶大の期待を寄せている。 8回の攻撃終了で、3番浅野翔吾選手の出番はないモノと諦めていたが、浅野翔吾はレフトへ安打し、2点を加点。この後浅野翔吾は、両ふくらはぎをつって(コブラ返し)、ベンチに治療退場、そのまま控え選手に交代した。私は打席に入る間に、彼が両足を伸ばしているのを見ていた。走ったために、一気に悪化したのかと思われる。明日24日は休養日。 4番安藤康城は、ストレートの四球。勝利まで後2アウトから逆転された大手前の井下投手の緊張も、暑さのためかここらで切れた。続くこの回2度目の打席に入った5番藤井陸斗左翼手が、積極的に2球目を撃ち、二塁打を放って3得点。6番、前の打席で攻撃の火ぶたを切った山田一成の三振で、9回表の攻撃が7点で終わった。 その裏逆に3点の差をつけられた大手前高松の攻撃、高松商4人目の大平岳投手が大手前9番山本を135キロの速球で圧倒し、結局三振。1番馬場を、レフトファールフライで2アウト。2番の高岡選手を、セカンドゴロに仕留めて3アウト。高松商の劇的な、9回7得点の逆転勝ちでした。こんな試合を最後まで堪能できた幸運、下を見ると40年卒組の先輩らがいたので話しかけた。久米龍之介先輩も、涙目のようでした。 今日の試合で高松商は投手4人で、大手前高松に11安打8点を奪取された。先発の2年生渡辺和大投手が、2回を5安打2奪三振ながら与四死球3、自責点3と素直な球筋を狙われた。まだまだ経験不足が否めない。課題は残ったが、他の3投手が3年生であることから、次の舞台は渡辺和大投手の成長にかかっている。長尾健司監督も、当然考えていることだと思う。 もう一つの課題は『ザルのような守備』、これまではエラーがなかったと思うが、先の3試合は大勝が続いた。今日はこれまでの分もまとめて計7のエラー。またエラーがつかなかった隠れエラーが、内野手に多かった。急に温度が上がって、動作が散漫になったことも影響したとは思う。その証拠に第一試合は、英明14-10三本松と、こちらも大味の試合になっている。 如何に集中するか、9番ショート橫井亮太選手は、唯一の1年生だが今日は3エラーで失点にもつながった。長尾健司監督もたまらず途中6回の守備から、背番号6の向井万旺選手に交代した。これが奏功した。課題は沢山残ったが、今日は20人全員で勝った。9回の攻撃でレフト前ヒットを放った浅野翔吾選手が、脚のけいれんでベンチに下がった。繰り返すことになるが、大事に至らなければ良いのだが。 明日は休養日、決勝戦は25日日曜日の11時からレグザムスタジアムで、英明-高松商が行われ、勝った方が甲子園大会へ出場する。決勝戦は、今日の試合の反省から僅差の試合になるような予感がします。甲子園大会で勝てるチームが、香川県の代表として甲子園の土を踏んでもらいたい。いずれにしても参加校関係者以外の観客は、球場に入れないと聞いています。 高松商 040 000 007 11 大手前 150 110 000 8 |
2021,07,22, Thursday
政府は、所有者がわからない土地の活用推進策の検討に入ったと、日経新聞が報道している。ついこの前、法律を改正したのではないかと思いながら、続きを読んだ。公共目的で利用できる範囲を広げ、新たに小規模な再生可能エネルギー発電所や防災施設も対象に含める。使用期限も、現行の10年から20年間に延長する方向だ。背景には、少子高齢化で相続されず放置される土地の増加が続く。
公共事業や地域の再開発の障害となっており、放置すれば経済活動の阻害要因になるとみて、利活用を急ぐ。国土審議会(国土交通相の諮問機関)の分科会で、7月下旬にも議論に着手し、年内にも方向性をまとめる。国土交通省は法務省(所有権に変更を加える観点から)と協議し、所有者不明土地を活用するための特別措置法の改正案を、2022年の通常国会へ提出することを目指す。 19年に全面施行した特措法では、自治体や民間事業者が公共目的で使う場合に、都道府県知事が土地使用権を与える仕組みを導入した。公園や公民館、駐車場のほか、出力1000キロワット以上の発電施設などでの使用を定めていた。法改正では、特措法で定めた利用目的の規制を緩和し、活用できる不明土地の対象拡充を検討する。 発電施設は電力要件を緩め、小規模な再エネ発電や蓄電施設も認める。例えば道の駅に電力を供給する発電設備の導入などで、電力の地産地消につなげる。防火設備は備蓄倉庫などを想定し、地域の防災力の向上に役立てる。また土地を使用できる期間は、20年間を軸に延長する。現行の10年間では、発電施設を作っても費用回収が出来ない課題があった。計画期間延長で、金融機関からの資金調達もしやすくなると見られる。 万一使用中に所有者が現れた場合は、期間終了後に土地を元の状態に戻して返す。これを原状回復という。また所有者から異議が出なければ、再延長も可能にする。さらにゴミの放置などで、近隣に悪影響を及ぼす『管理不全土地』の対策も強化する。自治体が、所有者に指導や勧告で対応を促しても状況が変わらなければ、ゴミ撤去など代執行の措置がとれる仕組みを作る。 所有者がわかっていても空き地になっているような土地に対しては、地域単位の民間組織が、使いたい人とマッチングする『ランドバンク制度』を導入する方向で法案をとりまとめたい方針のようだ。良いですね、やっと真に当たり前の土地利活用が出来そうです。私たちの生活に密着した、こうした動きにも、注目したいと考えています。私は最近特に、これまでいわれていた『公助・共助・自助』が、真逆の『自助・共助・公助』の順ではないかと考えるようになっています。自分たちのことは、まず自分たちで。 |