もう2月が今日で終わります、光陰矢のごとしと言いますが何と早いことか。鬼籍に入る順番を争うように、2月は『逃げる』と言いますがあっと言う間です。正月気分抜けきらぬ2月ですが、全国的な小雨渇水に見舞われています。これほどまでに雨が降らない冬も珍しい。四国高知の早明浦ダムは渇水で有名ですが、今年ばかりは全国各地の河川の水不足で悲鳴が聞こえます。
このまま春の田植え期を迎えるとなると、干ばつは間違いない。早々台風も期待薄、日頃から水不足の香川県などは、全国豊富な水資源に恵まれている地方からすれば、やり繰り上手で毎年何とか田植えにこぎ着けています。しかし今年は、危ない状況にあります。雪山の雪がある地方は、雪解け水の期待もありますが、香川県に限れば雪解け水の恩恵もほとんどありません。
こんな暗い冬ですがしかし3月になれば、いろいろな動きが予定されています。胎動の力強い音が聞こえて来ますが、その一つが標題の『漆研展』(香川県漆芸研究所修了作品展)です。弊社事務所の上は居宅(アパート)で、居住するのが研究員の村川女子親子世帯。早くからチラシが届き、「見に来てよ」と言われています。7日(土)から15日(日)までの僅か9日間です。場所は、香川県文化会館2階の『香川漆芸研究所』。私も前回も出かけました。今年は夫婦で参加する予定です。
香川県漆芸研究所は、江戸時代から受け継がれてきた香川県の伝統工芸である蒟醤(きんま)、存清(ぞんせい)、彫漆(ちょうしつ)などの技法を保存し、後継者の育成と技術の向上を目的とする全国最初の施設として、1954(昭和29)年11月設置、翌年、高松工芸高校の校舎の一室を借りる形で発足しました。当初は県内漆器産業従事者の技術向上を目指し、漆器業界の協力のもとに各職場の研究熱心な従業員が入所し、磯井如眞や香川宗石をはじめとする漆工芸作家から直接に漆芸技術の手ほどきを受けました。
その後、1960(昭和35)年に高松工芸高校の敷地内に鉄筋コンクリート2階建(延面積477平方メートル)の独立した新施設が竣工し、続いて、1967(昭和42)年に3階部分(延面積304平方メートル)が増築されるなど、実習環境が整えられました。漆器業界からの入所者が漸減するなかで、1967(昭和42)年度から高松工芸高校定時制課程 塗装科との技能連携教育を開始しました。
その後の社会経済環境の変化を受け、1980(昭和55)年度入所生から技能連携制度を廃止し1982(昭和57)年度から修学年限3年、1学年の定員10人とする現行の研究生課程を設置しました。研究生課程修了後の研究員課程についても、1979(昭和54)年度から現行の公募制に改めました。また、地域文化の一層の振興を図るために、2007(平成19)年度から文化芸術に関する業務が知事部局の所管となり、2009(平成21)年4月に香川県文化会館に移転、新たな実習環境と運営体制のもとに、香川県の漆芸振興の拠点施設として再出発をしました。
2014(平成26)年11月に創立60周年を迎えた香川県漆芸研究所の修了者(研究生)は470人を超えており、漆工芸作家や漆工技術者として活躍するなど、香川の伝統漆工芸や伝統産業の振興に寄与しています。2013(平成25)年には、山下義人指導員(第15回修了者)が当研究所修了者として初めて重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)に認定され、2020(令和2)年10月には、大谷早人指導員(第1回研究員課程修了者)が重要無形文化財保持者に認定されました。
本展では、これらの技法を用いて制作した作品を展示しており、一部購入することが出来ます。