海外から公益財団法人オイスカ四国研修センターへ来る研修生は、毎年2月に入ってきて12月に卒業していきます。従って毎年この時期になると、帰国後のアクションプログラムの発表が、日本語で行われます。卒業試験のようなモノですが、単なる試験と違い、自分で課題を考え、自ら解決の方法とこれからの生活と、派遣先の研修センターへの貢献までプログラムして、僅か40分で語ります。今日はビデオ会議システム「Zoom」で、各国の送り出し研修センターとつなぎます。
1番はフィジーからのラファ(SAUNIVLU RAFAELE)さんで、『カバとタロイモを栽培する』。カバとは、植物の根から採った飲み物です。タロイモは、里芋に類似した現地の芋で、現地の主食です。カバは植え付けてから収穫までに、4年ほどかかります。タロイモも、植え付けが終わるとさほど手入れがいりません。いずれも比較的手間いらず、彼は帰国したら元の酪農が待っているようで、新規は季節ごとや数年毎の収穫が最適のようです。
5人ともそうですが、収支相等、コスパーを重視してアクションプログラムを作っています。日本人指導者がそのようにリードしているようですが、帰国後貢献するにはまず金銭的裏付けが必要です。目的意識をそこにフォーカスし、帰国後のプランを構築します。私は体の一番大きなラファが、なぜか心配でしたが、比較的に良くまとまっていました。ホッと胸をなで下ろしました。
2番はインドネシアからのナウファル(MUHAMAD ARYA NAUFAL)さんで、表題は『農業技術で若者たちに仕事を与える』、おじさんの土地をかりて有機農業を導入し、収益を伸ばして若者雇用で村を豊かにするというストーリー。絵に描いたようなサクセスストーリーですが、こちらも、具体的目標に裏付けされた計算がありました。日本から帰ると理論ばかりが先歩きする傾向を、ここのところを四国研修センターは、特に気を付けています。
3番は、同じくインドネシアからのイマ(CHOLIFATUN NURUL IMANI)さん。日本語は一番上手で、補わなくても日本語の説明が分かります。『食品加工でフードロスを減らす』、余って捨てていたトマトはケチャップに加工し、レモンはジャムにするなどの工夫が語られています。食材は何でも、創意工夫で2次製品化し、食品ロスを限りなく減す取り組です。こちらも、十分成功しそうです。
4番は、フィリッピンからのベルト(BAGAPORO GILBERT ANDRES)さん。『市場から遠い地元の村に鶏肉を供給する』という発表で、今あるマーケットがバイクで40分もかかる。地元にマーケットを作り、新鮮さと利便さを提供します。こちらも採算が重視されています。養鶏のことは分かりませんが、肉にして食べる前に卵の生産でもう一段稼げないかと思いました。帰国後父親と鶏舎を建てることから始まると聞いたので、卵と肉は別物かとも考えます。
最後の5番は、スリランカからのアヌ(ANUTHTHARA)さんで『キノコ栽培の普及による貧困削除』という壮大な計画でした。スリランカは、旧セイロンで私はお茶の国のように考えていましたが、お茶は利権のかたまりで新規参入が難しいそうで、考え出したのがキノコでした。これも面白い発想ですが、椎茸なら乾燥させて日本への輸出もありますが、椎茸は採れないそうです。
このようにして研究生は、帰国後のアクションプログラムを考えています。いずれも帰国後、6ヶ月間程度のボランティア活動が送り出し研修センタから求められているようです。喪があけたらというか、ご奉公期間が終われば、各自の研修後アクションプログラムが動き出しそうでした。
今日の発表は無事終わりましたが、ホッとする間もなく12月早々に『日本語検定』があるようで、こちらは文字通り試験で、四苦八苦しています。私ら受け入れ側からは海外研修生5名と一括りにしていますが、世界地図を広げても、開かれたインド太平洋地域(昨年はメキシコもいました)という広いエリアから来ていて、お国の事情もバラバラです。僅か10ヶ月ですが、5人の研修生の人生に何らかの貢献が出来たと信じて、また会員開発増強に励みます。四国支部員の会費で、彼らは綾川に来ています。会員を100人増やすと、研修生1名増です。