米軍は、イランで中部フオルドウなど3カ所の核施設を現地時間22日(日)未明、特殊貫通爆弾で攻撃した。米メディアによると、米軍がイラン本土を直接攻撃するのは初めてのこと。トランプ大統領は、「2週間以内のイランからの回答による」と発言していたが、2週間どころか、2日後に攻撃した。トランプ大統領の言うことは「当てにならない」ことがまた一つ証明された。そのたびに、多くの命が失われ、負傷者も壊れて使えなくなった建物も増えていく。
一方イラン革命防衛隊は、報復攻撃を宣言。周辺地域の米軍基地を狙い戦火が拡大する恐れがあり、中東は重大な岐路に立った。原油を、中東に依存する日本経済に影響が及ぶ可能性が俄に広がっている。日本が何をすると言うことは出来ないが、また対岸の火事と傍観しているわけにもいかない。米国の貿易間税にも頭の痛い日本政府だが、またここへ来て重大な局面に立たされている。
もともと先の1次トランプ政権時から、トランプ大統領はイランの核兵器保有阻止を主張してきた。攻撃したのは他に中部ナタンズとイスファハンの核施設。地元当局は、フオルドウのウラン濃縮施設が損傷したと発表した。イラン当局は、放射性物質による汚染は確認されず、周辺住民に危険はないとした。関係者は、攻撃前に大部分の濃縮ウランを安全な場所に移したと共同通信に明らかにした。
攻撃はB2戦略爆撃機を7機投入し、『真夜中の鉄つい』作戦を実行した。米本土の基地から1万キロ以上離れた標的まで一度も着陸せず往復し、作戦は約37時間に及んだとみられる。今回の攻撃に使われた約13トンの特殊貫通弾(バンカーバスター)を、唯一運搬できる飛行機として注目されている。B2は1機21億ドル(約3千億円)で、世界で最も高価な軍用機とされる。
B2は米中西部ミズーリ州のホワイトマン空軍基地に20機配備され、同基地を離陸して片道18時間を飛行し、空中で給油を受けながら大西洋を往復した。トランプ大統領は核関連施設攻撃の目的について、「世界一のテロ支援国家による核の脅しを阻止することだった」と強調した。イランはアメリカ報復攻撃を示唆しているし、アメリカはイランからの攻撃があれば、更なるだめ押し攻撃をすると表明している。
これらを受けて日本政府は、直ちに支持を明言せず、「しかるべき時に答える」としている。こんなに早くアメリカの攻撃が行われるとは、予想していなかったのかもしれない。東京都議選で精一杯だったのだろうか。これに対して先に派遣命令が出ていた航空自衛隊のC2輸送機2機が22日、アフリカ東部ジブチ(ジブチ(Djibouti)は、ジブチ共和国の首都です)に到着したと報じられている。先の大阪・関西万博でコモン館にあったジブチ共和国へ行ったら、「先ほど自衛官も来ていた」と流暢な日本語で説明を受けた。ジブチは、ある意味有名な場所になっている。
このままトランプ大統領の言うように、収束の方向へ行ってくれたら良いが、一触即発の危機にも見える。戦争はもういい加減止めてほしい。怨みからは、良いモノは何も芽生えない。