ある人の声かけで、玉翔会の年会費を振り込んだら、第11回総会の案内が届いた。130人くらいの会員の、私もその中の一人らしい。玉翔会は、衆議院議員たまき雄一郎氏と共に学び、あわせて会員相互の連携と親睦を深めることを目的として設立された団体です。後援会とどこが違うのかよく分からないまま、総会にはじめて参加してみました。
総会と言っても質素なモノで、会場は『大川オアシス』(さぬき市津田町鶴羽)の2階会議室です。尾﨑勝会長が議長となり、総会は型どおり三十分程度で原案通り全議案が承認になり、続いて玉木雄一郎代議士の『生たまき』が聞けました。私は自民党員ですから、職場自民党議連の役付の時には流石に遠慮していましたが、無役職の今はこうして自民党以外の会合にも出て、意見を聞いています。
特に玉木雄一郎氏は、国民民主党の党首でその存在と知名度はまさに全国区です。テレビやSNSを通じて発言を聞くわけですが、珍しさを探究する私は『生たまき』が見たいし、政策も信条も直接聞いてみたいと願います。この席は1時間足らずでしたが、大変興味深い話しが聞けました。やはり『玉木党』と言われるだけのことはあります。真剣に与党入りを狙う保守野党ですかね。女性問題は、一切出ませんでした。
今度の国会でも『103万円の壁』というターゲットを作り上げ、実に鮮やかに少数与党の自民公明党と政策協定を結び、まず補正予算案に賛成しパート・アルバイトが年末の人手不足期に働けるように、103万円の壁を150万円まで引き上げに成功し、更なる壁の更新をねだったがため、与党に嫌われ蚊帳の外に置かれた。与党からすれば国民民主党政策実現の2兆円に対し、日本維新のそれは数千億円の私立高校も含めた高校授業料無償化に靡いたわけです。
このあたりの話しであれば、別のところでもよく聞く話と少々がっかりするのですが、玉木氏の『21世紀のヤルタ体制説』には心底度肝を抜かれました。1945年2月に行われたヤルタ会談、英国のチャーチル首相・米国ルーズベルト大統領・ソ連スターリンがソ連領内のクリミア半島ヤルタに集結し、第2次大戦の終戦後の主要な議題が話し合われました。日本に関係する極東問題、ソ連の対日参戦が合意され、日本の領土問題や戦後の処遇についても話し合われました。
余談ですがこのクリミヤ半島のヤルタは、現在ロシアが2014年にウクライナから併合し、実効支配している場所です。2013年、ウクライナの親ロシア派大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチがEUとの連携を拒否し、ロシア寄りの政策を取ったことで大規模な抗議運動(ユーロマイダン運動)が発生しました。
2014年2月、ヤヌコーヴィチ政権が崩壊し、新政権はEU寄りの姿勢を強める。
間髪入れず2014年2月末、ロシアの特殊部隊(「緑の男たち」)がクリミア半島の重要拠点を掌握。3月、クリミア自治共和国で住民投票が実施され、ロシアへの編入が決定(ただし、国際社会の多くはこれを違法と見なす)。3月18日、ロシアはクリミアの併合を正式に発表。そして再度2022年2月24日、ロシアはウクライナ全土に対する軍事侵攻を開始。その後ロシアは依然としてクリミアを支配しており、軍事基地の強化やロシア化を進めているのが現状です。
話しをヤルタ会談に戻しますが、要するに大戦後は先の3国で、世界のすべてを分けようと目論んだわけです。そして玉木氏はこの80年前と今が、酷似していると言うのです。象徴的だったのは今年、ホワイトハウスでのマスコミを入れたゼレンスキー大統領と全トランプ政権幹部との会談。あれを見て玉木氏は大変驚き恐怖さえ覚えたという。私も全く同様です。「ウクライナは交渉のカードを何も持っていない」。これは日本にも当てはまることです。
米国はトランプ大統領・ロシアはプーチン大統領・中国は習近平国家主席で、『21世紀のヤルタ体制』として、1945年以来の体制の現状変更を考えている。米国は今のトランプだけが「アメリカンファースト(アメリカ合衆国が一番)」ではなく、1971年8月15日にアメリカのリチャード・ニクソン大統領が発表したドルと金の交換停止(金本位制の終焉)を中心とする経済政策『ニクソン・ショック』という先例があります。これにより、戦後の国際通貨体制であるブレトン・ウッズ体制が崩壊し、世界は変動相場制へと移行することになりました。加えるなら、1985年9月の『プラザ合意』も、米国の都合です。
こと左様に米国は自国が窮地に陥れば、何をするか分からないという体質があります。このことにいち早く気づいたのはアジアの台湾で、擬米論がわき起こったのです。日本は最近自動車間税25%が出てきてやっと擬米論が表出、石破茂首相の足を与野党が引っ張らなくなって31日新年度予算が成立する見込み。このように内憂外患の今、米国の核の傘がなくなれば独自の核武装は難しく結果、韓国の傘の下で生き延びることになりそうだと玉木氏は言う。
そして先の3国の対立軸になる『インド』と日本は手を組み、「おおらかな政治をめざす」のが国民民主党・玉木雄一郎党首の考えの一端のようでした。