今日は盛和塾香川から派生した『香川胆識の会』の、2025年度通常総会でした。24年を振り返って25年の『有言実行シート』では、私より年長の山地真人さんや十河孝男さんの、「まだまだやりますよ」宣言が私の心に響きました。大苦戦が続く中国での現場の第一線で戦う『三和電業㈱会長山地真人』氏、中国大陸へ進出した日本企業の工場の電気設備を一手に引き受けています。新規建設案件がない中で、メンテナンス修理等で頑張っています。
稲盛和夫塾長は新規出店で、自らが出向いて本丸を空ける際には、4~6番手を連れて彼の地で奮闘する。本丸は2~3番手以下が守り、万一に備えると教授されていました。山地真人氏は、ご子息を社長に、その姉を補佐役につけて本丸におき、中国大陸へ出かけています。逆にNo.2以下を出す場合もあろうかと思いますが、その時は自らが居城を死守する態勢です。
この規模になると、地球規模の範疇での決断になります。お得意様が中国へ進出していたら、「行かざるを得ない」と判断しますが、そこには何の保障もありません。今のように中国の景気が一気に冷え込み、関連企業の撤退が取りざたされるようになったらどうするか。よほどの胆識がなければ、右往左往して、本丸自体も危うくなります。どうするか。
一方徳武産業の十河孝男会長は、こちらも中国に生産拠点を持っています。昨年秋には中国の変化について講演もしてくださいましたが、今日は民間信用調査会社『帝国データーバンク』の活用法について持論を展開されていました。私からすると『帝国データーバンク』や『東京商工リサーチ』から決算書の提出を求められたら、「馬鹿野郎」と良いながら無視をします。ところが十河孝男さんは、決算書の提供はもとより、積極的に社内情報を開示し、彼らの評点を上げていると言います。
評点は0~100点まであるそうですが、50点を超えたら優良会社の部類に入り、徳武産業は60点以上あるそうです。この発想ですね、私が驚いたのは、過去にも別の組織が取り組む「働きたくなる会社100選」入りしたり、一般的に漠然とした「良い会社」と言われながら、盛和塾内の税引き前利益が売上に対して10%以上というお約束を達成し、社員が喜ぶ会社にランクインし、ここへ来て次のランクインを目指しています。経営はやはり数字が分かり安い。
それが非上場会社の、次のステップであります。上場会社は情報の公開も基本中の基本ですから、決算書は当然として、積極的に情報を公開します。新規案件開発についても積極的でその結果が、毎日の株価に反映され、成果が測られます。では非上場会社はどうする。最近はホームページ活用や通信販売など、エンドユーザーに直接訴求する方法はいくらかあります。
十河さんのやり方はBtoB、つまり自分と同じステ-ジにある異業種企業の活用で、帝国データーバンクを使うそうです。この先このような商品開発をしたいので、一緒に出来そうな企業はどこだろうかということを、かの帝国データーバンクの担当者に聞く。もとより日々優良企業を毎日見ている担当者は、先の50点以上の企業の中から、A社B社C社とそれぞれの優良点と欠点を教えてくれるそうです。
勿論時間をかけて懇ろになっていて、当然毎月の費用を支払っていてのことですが、毎月数万円払っても価値があるという話しをされていました。調査をうっとうしいと逃げるか、積極的に使うか達人の胆識を聞いた思いがしました。自分も、まだまだ老けている場合ではない。「まだまだやれるもっとやれる」そんな勇気を貰った香川胆識の会でした。