第50回衆院選は27日に投開票が行われ、自民党公明党の与党は告示前の計288議席から大幅に議席を減らし、自民派閥裏金事件の非公認前職を含めても定数465の過半数(233)を割り込む見込みだ。石破茂首相(自民党総裁)は、政権を維持できるかどうか。すっかりなりを潜めていたあの「しかめっ面」の石破茂首相の顔が、またテレビ画面に登場し始めている。豹変石破の面目躍如。
公明党新代表の石井啓一(埼玉14区)氏が落選したのも、自民党裏金議員の相次ぐ落選とともに、今回選挙の象徴になった。安倍派の票田であった旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と自民党との蜜月関係も、国民の記憶の中にはまだ残っている。公明党も政教分離と言うが、選挙では学会員さんを動員して集票に走る。勿論違法ではないが、国民の一部には「ずるい」と写っているのかもしれない。
傲る自民党、さらに言うと権力を誇示していた安倍派や二階派、はたまた麻生派など政権の中枢に君臨していた議員の凋落ぶりは、もはや55年体制で自民党が誕生し、2009年選挙で与党が大敗し民主党鳩山由紀夫内閣が誕生した頃と、そっくりではないが、酷似している。裏金事件の非公認前職も、合法だが「ずるい」という国民感情の生け贄になった。非公認候補者への選挙期間中に2千万円の振込は、「ルールを守る石破茂首相(自民党総裁)」としてもおかしい。
流石に野田佳彦元首相(立民代表)は、あの頃の民主党と違って落ち着いている。選挙期間中も一貫して「与党の過半数割れ」「政権交代」を訴えていたが、その主張の中に「おらが総理大臣」というぎらぎらしたモノは感じなかった。隣の小川淳也幹事長も、野田佳彦党首の方針を見事に具現化していた。まだ若いから、枝野幸男元幹事長のように「エダル」かと思って私は見ていました。それが、香川第1選挙区の結果にも表れている。自民公認平井卓也候補を、3万票の大差で破った。
いずれにしても今後の政権運営は大変だと思うのですが、落ち着くところに落ち着くだろうと思い、そんなに心配はしていません。狭い視野ですが、比例代表で平井卓也衆議院議員と衆議院議員瀬戸隆一の当選に、一息つきます。世界中の国々の政権が揺らいでいます。これからの米国大統領選挙、「もしトラ」が言われて久しいのですが、トランプ政権が復活したら一層世界中の混乱が激しくなります。しかしそれもまた、歴史が求めているのかもしれません。
駄弁の最後に、一番厳しい結果を突きつけられたのは、ほかならぬ私たち有権者です。投票に行かない人が、有権者の半数近くいる。自分一人くらいでは結果は変わらないと考えているのか、いずれにしても投票に行かない人を私は社会人として認めたくない。小欄でも偉そうに書いていますが、投票は権利ですが私は義務でもあると考えています。
この民主主義の制度は、一番はっきり選挙に出来ています。多数に選ばれた指導者が、憲法などの諸法令や国際条約に基づき政治をします。多くの国民は、今回の選挙結果のように、政権の座に長く安住している与党にストップをかけます。これが民主主義の基本です。選挙の投票は、庶民の民意を反映します。中国や北朝鮮のように、一人独裁で言い分けないじゃないですか。