近年にない、何とも爽快な話題だ。米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手(30)が19日、マイアミで行われたマーリンズ戦でメジャー史上初、誰もがなしえなった『50本塁打、50盗塁』の快挙を達成した。私と同じ日本人だが、明らかに結果が違うし、また比べようもない人類初の快挙に世界中が沸いている。
二つの盗塁を決めて51盗塁とした後の六回に49号2ラン、七回に50号2ランを打って到達。おまけに九回には51号3ランを放ち、6安打、3本塁打、10打点と大活躍。いずれも日本人選手の、1試合最多記録となった。先頭打者だとしても、6回の打席はあり得ないことだと得点を見れば、20-4という快勝。同時にメジャー7年目で、初のプレーオフ進出も決まった。
昨年の今頃、「ヒリヒリする終盤戦を戦いたい」という自らの願望を自らの足とバットで叶えた。投手大谷はリハビリテーション中だが、その分ホームランと盗塁で、チームのために貢献した。個人の記録より、まずチームの勝利に貢献するという動機づけが何とも大谷翔平流で、好感が持てる。これほどまでに心技体が整っているアスリートはいない。
今年もMVP間違いないと思うのですが、何とも『すごい』の一言に尽きる。メジャーリーグ100年の歴史の中で、もはや大谷翔平選手以上の打者はいない。それも、多くが期待する以上のスピードで成し遂げてしまう。ヤクルトの村上宗隆内野手(22)が3冠を成し遂げたときも、本塁打記録を更新したときも、なかなか届くまでに時間がかかった。世界の王選手もみんなそうだ、足踏みしてしまう。
日本の記録達成以上に厳しいのがメジャの世界で、その最先端にあって大谷翔平選手は実に絵に描いたように簡単に成し遂げる。結果だけ見ていたら、別の星の生物かと思うほど、人間離れしている。恐らく水面下では、毎日トレーニングを欠かさない生活だと思う。長期ロードは試合だけでへとへとになると言うが、彼はその中でも計画的にトレーニングをやっているのだろう。
私は野球の専門的知識はありませんが、毎日トレーニングをするというルーティンは、果たしてどう作るのだろうか。飛行機移動と言いながら、アメリカ・カナダの東西は広い。まさか移動中の飛行機の中でトレーニングもなかろうが、このあたりの練習が『さすが大谷翔平』を作っている。1に睡眠、2に食事、3に練習だろうか。毎回打席に立って、ボールの見え方がぶれないというのが凄い。
これが打撃の好調さをキープしている秘訣だと思うのですが、立つ位置はバット置いて間隔を図り、そこへ左足かかとを置く。次は構えだが、疲れると背筋が弱まり前屈みになる。こうなるとボールの見え方が違ってくる。立つ位置、構え、バットの出方がシーズンを通して一緒だと当然好成績が生まれる。だけどそうはいかないのが、人の営みの6ヶ月であります。
一般的に打撃の基本が不易でないから、調子の上下があるというのが、人間の世界です。いくら西川の布団にオリジナル枕で寝ても、体調のキープは難しい。何とも不思議な存在であるのですが、もう一つ花巻東校監督である佐々木洋さんが大谷翔平選手の『50本塁打、50盗塁』の快挙を聞いて、高校時代にあの足の素材を見いだせなかったのは監督として何とも恥ずかしいと語っている。幼少の頃から足が速かったという話しは聞くが、プロ入りして大リーグで真価を発揮している大谷翔平選手は、いったいどうなっているのですかね。