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地価上昇率バブル後最大というが香川では下げ幅縮小程度
国土交通省が17日公表した7月1日時点の都道府県地価(基準地価)は、住宅地と商業地、全用途の全平均が3年連続で上昇した。いずれも上昇率は、バブル経済崩壊で大きく下落した1992年以降で最大。地方圏の内札幌、仙台、広島、福岡の主要4市を除く地域に限ると、全用途が32年ぶりに上昇した。地価に関しては、やっとバブル崩壊時まで回復したと見られるというが、このことが果たして景気回復の起爆剤になるのか。

一方香川県では、前年からの平均変動率は、住宅地がマイナス0.4%、商業地がマイナス0.2%、全用途平均がマイナス0.3%と下落幅は縮まったというが、依然としてマイナスでまだまだ返り切れて居ない。現場の感覚でも、上がったところもあるが、総じて横並びかまだ若干下げている。私の肌感覚では、全用途平均などナンセンスだと思います。住宅地と商業地を平均して、何が分かるのですか。

日本人独特の『平均値』思考だが、明治新政府以来の『役人の仕事』がこの平均値を求める作業だった。その作業の延長線上に『地価』というファックターがあり、『平均寿命』とかいうのと同様に平均値という考え方にぴったりと合う。土地の売買取引盛衰は、住宅が動くかどうかに掛かっています。この龍雲地区は、多肥小学校と龍雲中学校がともに四国一の生徒数だという。

確かに新築住宅が増えたし、まだ建っていない区画もある。これからもしばらくは、新築住宅と共に生徒数も増えるだろう。反面どうだろうか、まちなかなど生徒数減の小中校も多くある。廃校や統合も続くが自然増減ではなく、あくまでも社会増減だ。高松市内にあっても、横横の移動に過ぎない。このあたりにも、住民の価値意識の変化が見られる。

値下がり中のこの30年間に、龍雲校区は人を増やした。地価が下がって開発業者もやりやすかったし、買う方も決心が付いたのではないだろうか。このように考えると、地価の下落も景気の足を引っ張るとばかりは言えないのではないか。われわれ宅建業者は、往々にして地価の下落に罰印をつけるが、私など開発業でない仲介専門の宅建業者は、『相場』で取引の仲介報酬額を求める。不動産価格が高くなるよりは、流通数が増えた方が儲けがある。

住宅建設も、金融機関の動きに敏感だ。一番顕著な例は『金利』で、金利が相場より安いとなれば建設が進む。過去には土地価格から融資枠を決めていたフシがあったが、昨今は土地価格以上の融資枠を住宅性能重視で設定したり、つまり耐震・気密・断熱・太陽光発電等で性能を上げると融資枠が増えるたりしている。デベロッパーも、融資が受けやすくなっていた。これで郊外に宅地開発の輪が広がり、高松市は『立地適正化計画』を立て、郊外開発を止めた。これは国の『都市開発特別措置法』によるもので、大西秀人高松市長が一人悪いわけではない。

だから地価の値上がりでも値下がり期でも、相場の折り合いが付けば、流通は活発化する。第一値上がりしても売却しない限り、うまみは繰りのべするだけだ。このように冷静に報道を見ているニューファミリーが多くて、この建築資材人件費の高騰下では、新築住宅の数も増えていない。賃金の大幅増や、金利の上昇というアナウンスがなければ、それ行け新築GOGOとはならない。

また一方では中古(既存)住宅流通も、活発だ。どちらにしても、親世帯との同居はまずない。どんなに田舎でも、新築住宅は新婚か新婚から10年程度の若者ファミリーが居住する新居だ。築淺物件のリフォームも、人気がある。言えることは、地価の動向という名目より、実生活が快適かどうかに関心が高い。地価のアップダウンは、統計上の数字に過ぎない。という時代になりつつあると思う。


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| 社長日記 | 09:30 AM | comments (0) | trackback (0) |

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