8月29日(木)丸亀市綾歌総合文化会館アイレックスにおいて、標題の研修が行われました。私もこの手の研修は、『ハイブリッド(現場とリモートの両建)』で行われることか多くなりましたが、リモート通信だとどうしても聞く耳が散漫になり、印象に残らないと、現地で拝聴するように心がけているのですが、台風10号の影響で香川県内でも東かがわ市に『線状降水帯』警報が出る状態で、私も急遽リモート参加に切り替えました。
東京からの講師も、来ても帰れないだろうと来高を取りやめ、こちらも東京からのリモートに変わりました。こうなると、会場で聞いている人には申し訳ありませんが、当初からこうしていたら、気を病むことも無かったのです。とは言いながら、過去には二日間にわたり、高松と丸亀の2会場で開催していました。この頃に比べると、格段に手軽に開催が出来ています。
また先の2会場の開催実績の見直しから、県内の位置的中心の丸亀市綾歌総合文化会館アイレックスの使用が、このところ続いています。大きい箱物に、広い駐車場がついています。恐らく使用料も、これまでの高松や丸亀のホテルに比べると安いのでしょうね。偶然に会長が、西の地区所属会員でこれまでの高松中心の考え方から幾分変化があるようです。そんな状況の中、本部研修が13時から始まりました。
研修会は3つに分かれていて、第1部は県職員の『宅建業と人権』の解説と決まっています。主に『同和問題』の啓発促進ですが、『障害のある人』や『要配慮者世帯』まで広く法律に乗っ取って人権として保護されなければならないと解説しています。一番の肝は、「この物件が同和地区内にあるかどうか」の質問には、答えなくても宅建業法第47条の『重要な事項の告知義務』に当たらないと指導しています。
第2部は『災害時における民間賃貸住宅の活用について』と、これも県職員(土木部住宅課)からの説明です。家賃が月額6万円以下が原則ですが、われわれ仲介業者への仲介手数料(私は仲介報酬と呼んでいます、手数料ならまけろと言われます)は、県から家賃の0.5ヶ月分+消費税と規定されています。この規定が出来る前は、無報酬で仲介をし契約書を作成して、避難民が生活に困らないようにアドバイスするように指導されていました。
県は災害に遭遇し、困っている人らだからダダでやれと言っていたのですが、今は先のように規定が変わりました。災害に遭遇し住宅を失った被災者に対しては、災害救助法(昭和22年法律第118号)に基づき『応急仮設住宅』が提供されます。阪神淡路大震災の後に、業界や知識人らから『民間賃貸住宅借上制度』が言われはじめ、東日本大震災復興支援や熊本地震、最近の能登半島地震でも活用されています。
第3部がいよいよ本題ですが、『不動産トラブルの解説』を(一財)不動産適正取引推進機構派遣講師からありました。『適取』は、10月20日実施の『宅建取引士』試験(全国で20万人が受験)の主管団体です。47都道府県知事から試験委託を受け、実施するモノです。講師の葉山隆氏は、メガバンクからの出向からはじまり適取に根付いたようです。
このあたりの解説はこれまで、『不動産鑑定士』がやる機会が多かったのですが、昨年に続き葉山氏に白羽の矢が当たったようであります。われわれとしても法律は全国津々浦々一緒で、田舎だからこの程度で許されるというのはありません。先端情報を顧客に伝え、理解を得ることが求められています。具体的には、上部団体の作る契約書や重要事項説明書を利用することが安全策です。
最近の改正に見られる国の考え方は、増え続ける『所有者不明土地』に対するものが多い。『相続登記の義務化』とか『相続土地国庫帰属制度』『相続人申告登記』制度の新設など、矢継ばやに手を打っていますが、現状には追いついていません。変更が早すぎて、われわれもついて行くのがやっとです。宅地又は建物の売買等に関して受け取れる報酬の額も、物件価格が800万円以下でも、売主・買主の各々から30万円(消費税別)を上限として報酬を受け取ることが出来ようになりました(令和6年7月1日施行)。従前は、400万円未満の場合に、売主からのみ18万円(消費税別)が上限でした。こうなったのも確か、二年前の改正からです。
国は、『所有者不明土地』対策に躍起になっています。その為には宅建業者を動かすことが、一番の対策だと考えています。私が隠居せずにこうして頑張るのも、報酬に釣られてごきぶりホイホイの群集心理からですかね。