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ウクライナ戦争の今昔by防衛協会常務理事・岸川公彦
私は、『防衛協会』の会員です。小欄でも、北海道自衛隊基地見学の詳報を紹介したことがあります。昨日『防衛協会会報第166号・令和6年4月号』が届きました。その中の記事で、岸川公彦氏(元陸自中部方面総監)の『防衛時評』に触手が動きました。ロシア人の考え方を、ウクライナ戦争を通じて見ることが出来ると思い、その一部を紹介します。

(前略)結論から述べれば、「ロシアは軍事的に優勢である限り、決して攻撃を止めないので、ウクライナには戦う以外に選択肢がない。従って現状では、われわれ西側諸国は、ウクライナが引き続き戦えるよう、さらに支援を強化すべきである」という物騒なモノです。

今回のウクライナ戦争は、2014(平成26年)に発生した『マイダン革命』後、クリミヤ半島やドンバス地方で起こった『クリミヤ危機』を発端とするモノ(戦争)と言えます。2014年9月、ウクライナは国土を失いつつも停戦のためのいわゆる『ミンクス合意』に署名しました。これは基本的に停戦を合意するものであったのですが、翌年2月にはいわゆる『ミンクスⅡ』が署名されました。

『ミンクス合意』のポイントは、①停戦合意②分離派支配地域に『特別の法的地位』を与えること③外国軍隊(=ロシア軍)の撤退だったと言われています。当時のウクライナのポロシェンコ大統領は、この合意を守って、直ちに分離派支配地域に『特別の地位』を与えました。そうすればロシアは約束を守って、ロシア軍は撤退すると信じたからです。ところがロシア軍は撤退するどころか、その冬に大攻勢をかけてきたのです。

耐えきれなくなったウクライナが、ドイツとフランスの仲介の下、苦渋の選択として結んだのが『ミンスクⅡ』だったのです。『ミンスクⅡ』は当初の『ミンクス合意』よりもさらにウクナイナにとって不利な内容でした。このようにロシアは、『ミンクス合意』ではロシアの目的を達成していないので、停戦合意など無視してさらに攻撃をかけてきたのです。その後、ドンバス地方はどうなったのか。なぜかロシアの、飛び地領となっています。

何度も『停戦』が合意されたモノの、すべてが一時的なモノで、実際にはほとんど毎日のように戦闘が継続し、ロシアの占領地域は少しずつ広がっていったのです。これらの事実が示すとおり、ロシアとの間では『停戦』というのは一時稼ぎのモノでしかなく、ロシアは戦う余力がある限り、目的を達成するまで戦闘を止めることはないというのが、少なくとも2014年以降の戦いが示すところです。

さらにウラジーミル・プーチン大統領は、昨年12月の国民との対話でも「ロシアの目的が達成されれば平和が訪れる」と公言し、戦争継続の姿勢を鮮明にしています。プーチン大統領にとってウクライナという国はソ連邦の一部で、「存在しない」と考えているのかも知れません。翻って北方領土ですが、日本が西側諸国と行動を共にし、ロシアと対立するかぎり返還交渉等に応じられないと通告していますが、絶対に返還などあり得ないと私は考えています。

『防衛時報』の途中割愛したところもありますが、岸川氏の意見を参考にさせて頂きました。これはあくまでも、私の意見であります。日本人のDNAからは測り得ない考え方が、ロシアや中国に代表される国や地域にこうした考えが『存在』することを肝に銘じ、『隙を見せない』防衛が求められます。


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| 社長日記 | 10:08 AM | comments (0) | trackback (0) |

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