県が策定した高松港・坂出港長期構想で、これから20~30年先の両港のあり方を模索している。現在県は、中型クルーズ船(5万トン級)はサンポート高松港、今大型化しているそれ以上の11万トン級大型客船は、朝日地区のコンテナ岸壁に接岸するように規定している。世界的流れとして、大型クルーズ船の就航が多くなっている。
朝日地区は市街地から遠く、コンテナ船との入港調整も困難なため、クルーズ船事業者の評価が低い点などが課題になっている。『こと観光』と呼ばれる昨今のクルーズ観光では、ただ単に入出港するだけの港では意味をなさない。だから8日高松港サンポート地区に入港した『ぱしふぃっくびいなす』2.6万トン(定員620人)には、高松城鉄砲隊11人が火縄銃の空砲を撃つなどして、乗客らを歓迎した。
同船は2019年10月以来、2年8カ月ぶりの入港。良かったらまた来る。定員の半分以下に乗客を制限し、新型コロナウィルスの感染対策を施しながらツアーを行っている。乗客は琴平町の金比羅宮などを観光し、9時間後の午後3時50分頃横浜へ向けて出港した。この9時間の内、クルー(乗務員)の休憩時間もある。サンポート高松港からは、歩いても観光やコンビニ買い出しが出来る。サンポート高松港は、乗客乗務員ら大勢から支持されている。
そのサンポート高松港の岸壁(現在310㍍)の、延伸計画も盛り込まれている。今後5年の短期間計画では、客船専用岸壁の延伸としゅんせつ(底堀り)を行い、11万トン級の寄港を可能とする計画。同時に岸壁の周辺には、大型客船の乗客数に対応するため、観光バスの待機空間も設けるようだ。ざっとバス20台分の空間は必要になろう。駐車場は、近くの高松競輪場の駐車場が使える。
サンポート周辺では世界的な外資系ホテル『マンダリン・オリエントホテル』(私の予想に過ぎない)誘致や、新県立体育館の建設などを控えており、県港湾課は「大型客船の受け入れが一層のにぎわい創設につながれば」と話している。瀬戸内海クルーズは、国内では一級航路としての評価が高い。問題は、数ある港でどこの港に入るか。あまたある港の中から、サンポート高松港が選ばれたら、そこからの大型観光が動くことになる。
サンポート高松港関連で言うと、8月13日(土)の花火が中止になった。開催中は、中型客船『飛鳥Ⅱ』がつねに寄港していた。レグザムホール(香川県民ホール)からは、飛鳥Ⅱに遮られて花火鑑賞に不平不満が出ているが、同船客室デッキから眺める花火は、超一級品だと思います。高松市はサンポート地区周辺が工事のため「密閉・密集・密接」が心配されるためと言うが、これから数年はこの地で工事が継続する。この論で言うと、来年も再来年も中止か。新型コロナウィルスと上手く付き合いながら、徐々に生活経済を拡大しなければ。