4月29日が、春の叙勲の発表です。標題の『旭日双光章』受賞者の蘭に、『不動産業振興功労』松野誠寛(70)の記載がありました。叙勲は国や公共への功績を上げた人が、国から勲章を授かる栄典『表彰制度』の一つであります。『旭日章』は顕著な功績を上げた人、『瑞宝章』は公共的業務に長年従事された人が対象となり、それぞれ大綬章・重光章・中綬章・小綬章・双光章・単光章の6段階に区分されているようです。
わが国の叙勲制度は、1875(明治8)年の『勲章従軍記章制定の件』公布によって開始。当初は武官のみが対象だったが、その後文官をはじめ教育・社会分野にも拡大されたモノです。生存者に対する叙勲は戦後一時停止していましたが、昭和38年に再開し、翌39年4月29日(東京五輪直前)に第一回目の叙勲が行われました。以後毎年4月29日に『春の叙勲』、11月3日に『秋の叙勲』が行われるようになり、現在に至っています。
自分が貰っていながら実感がないのですが、『業界・協会』の存在と功績が認められ、そのあたりでぶらぶらしていた私が右代表で受取人になったという構図が透けて見えます。私は昭和56年2月に不動産業を開業したのですが、家業の麺職人として働いて、つまり兼業でした。開業の前年55年に宅地建物取引業法が改正され、不動産流通業務を近代化するため、売買及び交換の媒介契約の内容の書面化が義務付けられました。ここが近代化の第一歩でした。
ということで、財団法人不動産流通近代化センターが設立され(基金は国庫10億円、民間出捐20億円)、中小企業の協業化が進みました。また、取引物件の合理的な値付けを行うための価格査定マニュアルを策定・普及させ、宅建業者間で物件情報を共有させ迅速かつ適正な価格での成約を促進させるため不動産流通機構が整備されました。
この第2改革によって売り物件を、『香川県不動産流通センター』へ登録することで片手数料を得ることが出来、私のような新米宅建業者が、どうにかこうにか細々と、売上を上げることが出来るようになったのです。このように劇的な業界変革の第4段が今で、IT・デジタル化がそれであります。インターネットがまさに、不動産業界を席巻しているのです。
私のような異業種から参入した傍観者から見れば、一番の改革が流通センター登録制度。次はコンピューター普及によるインターネットを利用した、物件の公開。そして今日のIT重説制度へと、業界は確かに変革を遂げもつて購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることを目的とする宅建業法を達成しています。中古住宅の建物現況検査(インスペクション)導入など、業界はさらに進化しています。
残念ながら新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、拝謁及び勲章伝達式は中止となり、5月6日午前香川県庁舎で浜田恵造香川県知事から伝達されるようです。私は令和元年に『知事賞』を浜田恵造香川県知事から拝受し、今度も浜田恵造香川県知事最後の伝達で、大変ご縁を感じ嬉しく思っております。
後日皇居への招待があるようにも言われていますが、コロナ禍で勿論、天皇陛下に拝謁することはありません。これからの人生、この栄誉を汚すことなく誕生日を同じくするお釈迦様の唱える六波羅蜜の修行をしながら、業界協会のためさらには消費者の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることに精進します。ありがとうございます。