『ドクターヘリ』とは、救急医療用の医療機器を装備したヘリコプターであり、医師および看護師が同乗して救急現場に向かい、現場から医療機関に搬送するまでの間、患者に救命医療(航空救急)を行うことができる専用ヘリコプターをいうのです。救急医療用ヘリコプターとも言う。香川県にも、『防災ヘリ』は比較的早くからありました。しかし『ドクターヘリ』は、これまで香川県にはなかったのです。
日本で正式に運航が始まったのは2001年4月。 導入のきっかけとなったのは1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災でした。その後ドクターヘリを導入する道府県は年々増え、2020年3月現在、全国44道府県に53機が配備されています。私が知る限りですが、導入のない都道府県は、香川県と東京都だけと聞いていました。もう一つの県は、不明です。
普及が進まない最大の問題は、総額で1か所あたり年間約2億1千万円かかる費用の負担(当初は国と自治体が半分ずつ)であり、 地方自治体の財政事情で導入を躊躇しているところが多かったのですが、現在では国が最大9割まで負担するようになったため、自治体の負担は約2,000万円となり徐々に普及が進んでいる。
1回の出動で40万円ほどだが、遠方地までの飛行では概ね120万円程度かかる見込み。なお、アメリカでは1回の出動で200万から500万円程かかるため、それに比較すれば割安である。費用以上に負担となるのが、専門スタップの確保だと思う。今でも手一杯と言われている医療現場から、緊急救助の精鋭部隊を引き抜いてチーム編成をすることになる。
17日の県運航調整委員会で、運航体制などが明らかになった。基地病院となる県立中央病院と香川大学医学部付属病院が、1週間交代で現場への出動を担当する。県によると、導入するドクターヘリの定員は医師、看護婦、患者を含め7名。県全域を運航範囲とし、生死に関わる救急案件と判断した場合に、地元消防機関などが出動を要請する。全市町に離陸場所を設ける予定で、搬送先として県内10医療機関を指定している。
ヘリは2病院に1週間ごとに駐機。運航時間は原則午前8時半~午後5時半とした。フライトドクターの確保状況に関しては、2病院を中心に医師16人、看護師26人を候補者として確保したことを報告した。このほか、実機を用いた訓練を来年1月以降に行うスケジュール案などが示された。
私が日赤高松病院に入院していた今年9月、館内放送で、「屋上にヘリコプターが到着します」というアナウンスがありました。高松日赤病院や高松市立みんなの病院も、搬送先候補に入っているのでしょうか。香川県内には島しょう部が多くて、ここからの緊急ヘリ搬送は人命救助に大いに役立つと考えられます。『医療現場のデジタル化』と『ドクターヘリ導入』で、県内の医療はさらに良くなり、またより住みやすくなります。